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Posted by おてもやん at

2010年09月25日

禁断の書【東京島】桐野夏生にもて遊ばれました!

 一昨日、警固神社近くのTSUTAYAで迷ったあげく買うことにした本です。このおてもやんブログの家守さんも紹介されていたし、読むことにしました。
 桐野夏生『東京島』新潮文庫(平成22年9月20日十四刷、平成22年5月1日発行)です。
 帯には「映画化 8月公開!」「孤島には、31人の男と たった1人の女」「今年で四十六歳になったが、髪が薄くなった以外、まだ衰えはない。そんな自分を巡って、どれほどの死闘が繰り広げられたか。清子はまたしても笑いを浮かべた。人が死んだり、怪我したり。これほど男に焦がれた女が世界に何人いるだろう。」と書いてあります。
 面白かったです。昨日は後150ページくらい残っていて、ビールと焼酎(「天孫降臨」はうまい!)を飲んだ後、フラフラしながら読みはじめて途中で轟沈。夜中、目が覚めて、最後まで読みました。
 桐野さんの心の中の遊びに巻き込まれたような感じです。孤島で女1人、後は男ばかり。何が起こるか?ちょうどテレビゲームのように、それぞれキャラクターを設定して、いろんな人間関係の中で本性むき出しのドラマが展開する。それぞれのキャラクターが作家の手を離れて動き出すという感じです。それは、それはおぞましい!ふつうの人なら少し頭に浮かんでも、「いやいや、そんな」と思考停止に陥りますが、桐野さんはキャラクターを使って自分の本性を描いていきますと、もて遊ばれているような感じですので断定的に反抗したくなります。中盤くらいまで読んで、男同士のおぞましい場面があり、それを読んだ昨日は周辺の男性を見ただけでも、どこか気持ち悪く、警戒している自分の姿がありました。
 この小説を読んでいる自分の姿まで、どこか、あの妖艶な桐野さんが嘲笑しながら見られているような感じでした。そんな魔性の雰囲気の中で読み進んでいくうちに、何とか桐野魔術に抵抗したいと思い、清子を桐野夏生にして文章を味わうことにしました。
 これは禁断の書です。映画もやっているようですが、今のところお腹いっぱいです。
純愛映画の「はなみずき」を見たくなってきました。
  


Posted by わくわくなひと at 16:36Comments(2)