2010年12月21日
BHAG―組織を動かす大胆な目標「ビジョナリーカンパニー」

自分の力だけでなく組織で夢を追求するための仕掛け、BHAG(ビーハグ、Big Hairy Audacious Goals)という考え方は実に面白く必要だと思います。
以下は、個人的に特に記録しておきたい内容。
「第四章 基本理念を維持し、進歩を促す」から
・ビジョナリーカンパニーの基本理念は、進歩への飽くなき意欲と密接に関係している。進歩への意欲は、基本理念以外のすべての分野で、変化と前進を強く促す。進歩しようとする意欲は、探求し、創造し、発見し、達成し、変化し、向上しようとする人間の奥深い衝動から生まれる。
・新しいアイデアを「不可能だ」という理由でつぶしてはならない。われわれの仕事は、研究と実験を永遠に続け、研究の成果をできるかぎり早く製品に活かし、航空と航空機の新技術が当社と無関係に開発されていくことが決してないようにすることである。(ボーイング)
・基本理念を維持し、進歩を促す具体的な仕組みを整えることの大切さだ。
「第五章 社運を賭けた大胆な目標」から
・BHAG(ビーハグ、Big Hairy Audacious Goals)―進歩を促す強力な仕組み
・月旅行がそうであるように、本物のBHAGは明確で説得力があり、集団の力を結集するものになる。
・目標は鮮明であり、登るべき山がはっきりしていて、だれにとってもわくわくさせられるもの―BHAG
・BHAGは単なる目標ではない。社運を賭けた大胆な目標なのだ。「会社の資源をすべてつぎ込んでも、必ず完成させる」(ボーイング747)。BHAGと呼べるのは、その目標を達成する決意がきわめて固い場合だけである。
・企業がきわめて未来志向の動きをとるのは、収益性を最大限に高めること以外の点に事業の究極的な目標があると見ているときなのである。
・起業家のほとんどにとって、BHAGは事業に必ずついて回るものである。事業を立ち上げ、生き残れることだけは確かだと思えるところに達するだけでも、創業間もない企業のほとんどにとって、大変なことだからである。
・「インターナショナル・ビジネス・マシンズ」は1924年には滑稽とも思える社名だった。「あのちっぽけな会社に、なんという名前なんだろう」。現実にあるのは、噛みタバコをかんでいるような連中が、コーヒー・グラインダーや肉屋のはかりなんかを売っている会社だった。
・「参入したすべての市場でナンバー1かナンバー2になり、当社を、小さな会社のスピードと機敏さを持つ企業に変革する。」(ジャック・ウェルチ)
・「大衆のための乗用車をつくる。・・・価格がきわめて安く、まともな給料をとっている者なら、買えない者はおらず、家族とともに、神がつくった広大な土地で楽しむことができるようになる。・・・全員が自動車を買えるようになり、全員が乗用車を持つようになる。道路からは馬車が消え、自動車に乗るのが当然になる。」(ヘンリー・フォード)
・「皆はトランジスターは商売にならんと言っている・・・。だからこそ、トランジスターの事業は面白いんだ」(井深大)
・「ニューポートの小さな店を、五年以内にアーカンソー州で最高で、もっとも利益の多い雑貨店にする」(ウォルマート、サム・ウォルトン)
Posted by わくわくなひと at
22:25
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2010年12月21日
カネ儲けを超えた価値観と目的「ビジョナリーカンパニー」

単なるカネ儲けではなく、「本当、この会社で仕事をしてよかった」と思えるような器をつくっていくには基本理念が必要ですね。この本にはいろんなビジョナリーカンパニーの理念が載っていますが、ソニーの理念や志が一番共感しました。
以下は、個人的に特に記録しておきたい内容です(本当な長々と記録していますが一部です)。
「第三章 利益を超えて」から
・基本理念、つまり、単なるカネ儲けを超えた基本的価値観と目的意識である。
・ビジョナリー・カンパニーにとって、基本理念は組織の土台になっている基本的な指針であり、「われわれが何者で、なんのために存在し、何をやっているのかを示すものである」。
・収益力は、会社が存続するために必要な条件であり、もっと重要な目的を達成するための手段だが、多くのビジョナリー・カンパニーにとって、それ自体が目的ではない。利益とは、人間の体にとっての酸素や食料や水や血液のようなものだ。人生の目的ではないが、それがなければ生きられない。
・「利益は会社経営の正しい目的ではない。すべての正しい目的を可能にするものである」(パッカード)。
・真の顧客に本当に満足してもらえれば、利益をあげられるようになる。
・理念が本物であり、企業がどこまで理念を貫き通しているかの方が、理念の内容よりも重要である。
・重要な問題は、企業が「正しい」基本理念や「好ましい」基本理念を持っているかどうかではなく、企業が、好ましいにせよ、好ましくないにせよ、基本理念を持っており、社員の指針となり、活力を与えているかどうかである。
■基本理念=基本的価値観+目的
・基本的価値観=組織にとって不可欠で不変の主義。いくつかの一般的な指導原理からなり、文化や経営手法と混同してはならず、利益の追求や目先の事情のために曲げてはならない。
・目的=単なるカネ儲けを超えた会社の根本的な存在理由。地平線の上に永遠に輝き続ける道しるべとなる星であり、個々の目標や事業戦略と混同してはならない。
(ソニーの設立趣意書より)
これらの人たちが真に人格的に結合し堅き協同精神を持って思う存分技術能力を発揮できるような状態に置くことができたら・・・・・・その運営はいかに楽しきものでもありその成果はいかに大であるか・・・・・・。志を同じくする者が自然に集まり、われわれの発足がはじまった。
(ソニー会社創立の目的より)
・技術者たちが技術することに喜びを感じ、その社会的使命を自覚して思いきり働ける職場をこしらえる。
(ソニー経営方針より)
・不当なるもうけ主義を廃しあくまで内容の充実、実質的な活動に重点を置きいたずらに規模の拡大を追わず。
・技術上の困難はこれをむしろ歓迎し量の多少に関せず最も社会的に利用度の高い高級技術製品を対象とす。
・一切の秩序を実力本位、人格主義の上に置き個人の技能を最大限度に発揮せしむ。
ソニーは開拓者。その窓は、いつも未知の世界に向かって開かれている。人のやらない仕事、困難であるがために人が避けて通る仕事に、ソニーは勇敢に取り組み、それを企業化していく。ここでは、新しい製品の開発とその生産・販売のすべてにわたって、創造的な活動が要求され、期待され、約束されている・・・。開拓者ソニーは、限りなく人を生かし、人を信じ、その能力を絶えず開拓して前進していくことを、ただひとつの生命としているのである。
ソニーは粗雑な電気座布団や和菓子をつくって現金収入を得ていたが(現実主義)、常に社会に貢献する製品の開拓者になることを夢見て、前進し続けた(理想主義)。
Posted by わくわくなひと at
15:56
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