2010年12月29日
九州新幹線 博多-熊本3000円への報道と反応

九州新幹線博多-熊本間は、ネットの早期予約「早特」で3,000円也。駅などで買える2枚切符は3,500円と発表されていましたが、ネット予約であれば割引率は何と40%!3,000円で乗れるそうです。
昨日28日付け西日本新聞の福岡都市圏版は1面トップ。同日付けの熊本日日新聞も1面に載っていました。
そこで気になってくるのが、「ネット予約」の詳細です。このあたりは新聞を読み比べると面白いですね。想像ですが、記者発表の内容をまとめていくと、どうしても発表者側の視点や情報が多くなっていきます。そこですっぽり抜けがちなのが、実際に新幹線を利用する人のための具体的な情報です。
新聞各社の記事を読んでみて、利用者が実際に行動する時を想定した記事を載せていたのは西日本新聞でした。以下の一文です。
・・・最安値は、インターネットを利用した乗車3日前までの早期予約割引「九州ネット早特」(指定席)で、博多-熊本は片道3千円(割引率40%)・・・
・・・ネット予約は、同社ホームページで会員登録が必要。片道分から購入できる。予約時にクレジットカードで決済し、駅販売機で発券する。九州内のネット割引は、JR九州のクレジットカード会員に限定しない。
・・・ネット予約は同3月5日から受け付ける。
それと30面では、“3,000円”に対する人々の反応を丹念にひろってありました。
全日空、日本エアコミューター、南国交通、西日本鉄道、九州産業交通グループ、JTB九州、旅行雑誌「九州じゃらん」、鹿児島市民2人、鳥栖市の会社員、熊本市の整備士、筑後市の陶芸家、久留米市民、熊本市の主婦、鹿児島県内に実家がある福岡市の大学生
「バスや在来線に比べると「高い」という声も少なくない」という一般的な市民の反応もまとめてありました。これらの反応は、まだ九州新幹線博多-熊本間を経験していない人々の声としてインプットしましょう。
個人的な感想と予想です。
片道3,000円なら相当な需要を喚起できる。開業直後は「一度は乗ってみたい」と思う人たちがかなり利用する。それが一巡した後、どんなことが起きるか。博多-熊本が30分という利便性を一度体験してしまうと、高速バスの1時間半から2時間が苦痛に感じてしまう。そんな人たちがかなり出てきて高速バスから新幹線にシフトしていく。
この利用者の心の変化は東北新幹線などでも起こっていると、東京のシンクタンクの人から教えていただきました。ただ、そのような利用者の心の変化を誘うには熊本駅へのアクセスがよくないことが障壁となるかも知れません。同市東部地区と熊本駅は余りにも離れ過ぎています。高速輸送機関があれば、そうでもない距離ですが・・・。福岡都市圏は博多駅へ高速で大量の人々を運ぶインフラが出来上がっています。
そうは言っても、企業の交通費に関わる意思決定は、消費者よりも、もう少し時間がかかるような気がしています。
Posted by わくわくなひと at
15:43
│Comments(3)