2010年01月30日
途上国から世界に通用するブランドを・Motherhouse
28日(金)、アクロス福岡円形ホールで開催された「マザーハウスカレッジ」(福岡大学商学部主催?)に参加してきました。会場は満員。知った人の顔がちらほらしていて、地域社会の寄り合いを思い出してしまいました。
このカレッジでは、最貧国と言われるバングラディシュに自社工場を作り、そこから世界に通用するブランドを作っていこうとしている「Motherhouse」の副社長・山崎大祐さんの話を聞きました。
この会社はバングラディシュやネパールに工場を作って生産するだけでなく、商品企画・デザインから自社店舗での販売まで、すべて外注せずに自社で行っている会社ということです。大名の雁林町(がんりんのちょう)通りにある弊社事務所から、100㍍も離れていないところに、こんなすごい会社の店があることを、参加して初めて知りました。
企業理念は「途上国から世界に通用するブランドをつくる」です。この理念を見て、「オッ!」と閃くものがありましたので参加した次第です。というのも、私の会社では授産施設等の作業所で作られた製品の販売促進やネットショップを媒体とした販売業務を請け負っているからです。
このMotherhouseは、弱肉強食の資本主義体制に馴染まなかった途上国に着目した事業を展開されています。弊社は同様に日本国内で厳しい状況に置かれてきた地方や福祉分野の方々、そして障がいのある方々と、いっしょに仕事をさせていただいております。ただ、Motherhouseのように、しっかりした理念と筋書きがあったわけではありません。危ない会社の典型でしょうが、気づいたら、そうなっていたということです。
このカレッジで山崎副社長に「九州もある意味途上国であり、九州でいいものを作っていくアイデアは?」という質問が会場からありました。固定観念にとらわれなければ九州だけでなくたとえ東京や福岡などの都会の中にもMotherhouseのような会社がいくつも立ち上がっていくチャンスはいくらでもあると実感しました。山崎副社長は「モノを売ることは地域に関わることであり、その地域のことを真剣に考えろと社員に言っている」そうです。
カレッジのテーマは「社会性と経済性は両立するのか」でした。弊社でも少し言葉は違いますが、「障がい者の社会参加と授産施設等製品の売り上げアップは両立するのか」で議論、社員の一部では激論を重ねているようです。そういう意味で山崎副社長のお話は、感動的であり、不覚にも目頭が熱くなるものを感じてしまいました。
「社会性ということをご自身がどう位置づけられているのか」という問いに対し、山崎副社長は「社会性と経済性の両立は意味のない問いです。企業は社会から必要とされるから商品を提供する。教育関係は社会性があって、500円の定食屋は社会企業ではないのか。」と明快に回答されました。
「経済性と社会のはざまは賃金だと思う」という素晴らしく整理された質問もありました。
「経営者側から見れば給与を毎月払うのがいかに大変なことか。次の給与が払えるのかと何度も悩んできた。社会的な理想がなければ会社をやってはいけないなんて言いたくない。経済性を達成することがいかに大変なことか経営者は分かっている」との回答でした。別の質問に対して、「ビジネスの社会は本当戦争です。それに立ち向かうためには自分たちが強くなる意外にない。経済社会の暴力を知らないと社会貢献はできない」という回答もありました。
「続けていくためにはお金が必要。ある程度資金が必要だが、どうやって持続的に生きていくのか」という問いに対しては、「企業はキャッシュフローがすべて。リスクが高いビジネスをやっている。今はモノ余り金余りであり、お金はあるところにはある。組織のお金と個人のお金があり、組織にはルールがあり個人には哲学がある。個人の哲学は変わりにくいので法人からのお金を入れていない」そうです。ゴールドマンサックスご出身ですので、さすがです。
以上、カギ括弧の中の言葉は私がメモしたものですので不正確極まりないものです(悪しからず)。
私なりの結論は「社会性と経済性は両立するのか」ではなく、社会性と経済性のはざまで真剣に悩んでいくことが正しいし、持続性のある本物に近づく狭い道だということになりました。回答が簡単ではない狭い道だからこそ固定観念や常識を払拭することができるということです。キーワードは「○○でもかまわない」「○○のほうがむしろよい」という非常識な発想の自分自身への問いかけの繰り返しです。「障がい者の社会参加と授産施設等製品の売り上げアップ」のはざまで、腹を据えて考え抜きます。
このカレッジでは、最貧国と言われるバングラディシュに自社工場を作り、そこから世界に通用するブランドを作っていこうとしている「Motherhouse」の副社長・山崎大祐さんの話を聞きました。
この会社はバングラディシュやネパールに工場を作って生産するだけでなく、商品企画・デザインから自社店舗での販売まで、すべて外注せずに自社で行っている会社ということです。大名の雁林町(がんりんのちょう)通りにある弊社事務所から、100㍍も離れていないところに、こんなすごい会社の店があることを、参加して初めて知りました。
企業理念は「途上国から世界に通用するブランドをつくる」です。この理念を見て、「オッ!」と閃くものがありましたので参加した次第です。というのも、私の会社では授産施設等の作業所で作られた製品の販売促進やネットショップを媒体とした販売業務を請け負っているからです。
このMotherhouseは、弱肉強食の資本主義体制に馴染まなかった途上国に着目した事業を展開されています。弊社は同様に日本国内で厳しい状況に置かれてきた地方や福祉分野の方々、そして障がいのある方々と、いっしょに仕事をさせていただいております。ただ、Motherhouseのように、しっかりした理念と筋書きがあったわけではありません。危ない会社の典型でしょうが、気づいたら、そうなっていたということです。
このカレッジで山崎副社長に「九州もある意味途上国であり、九州でいいものを作っていくアイデアは?」という質問が会場からありました。固定観念にとらわれなければ九州だけでなくたとえ東京や福岡などの都会の中にもMotherhouseのような会社がいくつも立ち上がっていくチャンスはいくらでもあると実感しました。山崎副社長は「モノを売ることは地域に関わることであり、その地域のことを真剣に考えろと社員に言っている」そうです。
カレッジのテーマは「社会性と経済性は両立するのか」でした。弊社でも少し言葉は違いますが、「障がい者の社会参加と授産施設等製品の売り上げアップは両立するのか」で議論、社員の一部では激論を重ねているようです。そういう意味で山崎副社長のお話は、感動的であり、不覚にも目頭が熱くなるものを感じてしまいました。
「社会性ということをご自身がどう位置づけられているのか」という問いに対し、山崎副社長は「社会性と経済性の両立は意味のない問いです。企業は社会から必要とされるから商品を提供する。教育関係は社会性があって、500円の定食屋は社会企業ではないのか。」と明快に回答されました。
「経済性と社会のはざまは賃金だと思う」という素晴らしく整理された質問もありました。
「経営者側から見れば給与を毎月払うのがいかに大変なことか。次の給与が払えるのかと何度も悩んできた。社会的な理想がなければ会社をやってはいけないなんて言いたくない。経済性を達成することがいかに大変なことか経営者は分かっている」との回答でした。別の質問に対して、「ビジネスの社会は本当戦争です。それに立ち向かうためには自分たちが強くなる意外にない。経済社会の暴力を知らないと社会貢献はできない」という回答もありました。
「続けていくためにはお金が必要。ある程度資金が必要だが、どうやって持続的に生きていくのか」という問いに対しては、「企業はキャッシュフローがすべて。リスクが高いビジネスをやっている。今はモノ余り金余りであり、お金はあるところにはある。組織のお金と個人のお金があり、組織にはルールがあり個人には哲学がある。個人の哲学は変わりにくいので法人からのお金を入れていない」そうです。ゴールドマンサックスご出身ですので、さすがです。
以上、カギ括弧の中の言葉は私がメモしたものですので不正確極まりないものです(悪しからず)。
私なりの結論は「社会性と経済性は両立するのか」ではなく、社会性と経済性のはざまで真剣に悩んでいくことが正しいし、持続性のある本物に近づく狭い道だということになりました。回答が簡単ではない狭い道だからこそ固定観念や常識を払拭することができるということです。キーワードは「○○でもかまわない」「○○のほうがむしろよい」という非常識な発想の自分自身への問いかけの繰り返しです。「障がい者の社会参加と授産施設等製品の売り上げアップ」のはざまで、腹を据えて考え抜きます。

Posted by わくわくなひと at
22:58
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