2011年12月20日
グルインの司会法は「話し合い形式」が効果的であることを実証
日本市場創造学会設立準備研究会の研究発表会が12月11日、駿河台の明治大学で開催されました。
この日は午前から夕方まで、商品開発から流通までさまざまな分野の研究発表が行われました。その中の一つ、「グループインタビュー司会法による発言の違い」と題した発表を紹介したくなりました。恐らくこのような実験や研究は、日本初、もしかしたら世界初かも知れません。
グループインタビューというと、消費者のニーズ等を把握する手法として定着しています。略して“グルイン”とも言いますが、近年はあまりにも普及し過ぎて玉石混交だと思います。何人か集めて“話の得意な(おしゃべりな)”司会が行えば、即、「グルインをやりました」という事例も事欠きません。ひどい場合はワークショップやグループワークがグルインだと認識されていることもあります。
リサーチはマーケティングの成否に関わる真剣勝負ですので、企業活動に役立つグルイン、いわゆる“良貨”が普及する世の中になってもらいたいと願っています。
グルインの中にも流派のようなものがありまして、大きく分けると、①「質問回答式」と②「話し合い式」に分かれます。①は司会者が個々人に質問を振り、出席者は司会者に回答するという方式で進みます。一つの質問について全員から回答を収集するというのも特徴です。②の司会者は「場」に話題を提供する役割をし、出席者同士での話し合いを促します。誰が何をどれくらい語るかは出席者に委ねられます。司会者は話題を人に振り分けたり、不明確な点を確認する役に徹します。
研究では、二つのグルインを同じインタビューフロー、同じ時間など極力条件を同じにして、発言の量、発言の質、マーケッターの印象を比較しました。
結果は、以下の通りです。
■発言量(発言録の文字数)
「質問回答式」:総文字数34,072字=出席者24,068字(71%)+司会者10,004字(29%)
「話し合い式」:総文字数34,254字=出席者27,259字(80%)+司会者6,995字(20%)
■調査課題「女性の体型の悩み対処に関する未充足ニーズ発掘」という目的に対して、「悩み、なりたい、やりたい」(ニーズ)、「そのための行動」「行動に伴う問題点」それぞれの発言数
「質問回答式」:「悩み、なりたい、やりたい」87個(重複除く60個)、「行動」46個(同43個)、「行動に伴う問題点」79個(同46個)
「話し合い式」:「悩み、なりたい、やりたい」100個(重複除く90個)、「行動」71個(同65個)、「行動に伴う問題点」145個(同98個)
■開発系マーケッター16人の印象
「質問回答式」:聞いていて聞きやすい。「質問回答式」がよい3件
「話し合い式」:印象に残る発言が出てくる。「話し合い式」がよい13件
今後、いろんなケースでの比較が必要でしょうが、今回の実験では「話し合い式」の優勢勝ちとなりました。
この日は午前から夕方まで、商品開発から流通までさまざまな分野の研究発表が行われました。その中の一つ、「グループインタビュー司会法による発言の違い」と題した発表を紹介したくなりました。恐らくこのような実験や研究は、日本初、もしかしたら世界初かも知れません。
グループインタビューというと、消費者のニーズ等を把握する手法として定着しています。略して“グルイン”とも言いますが、近年はあまりにも普及し過ぎて玉石混交だと思います。何人か集めて“話の得意な(おしゃべりな)”司会が行えば、即、「グルインをやりました」という事例も事欠きません。ひどい場合はワークショップやグループワークがグルインだと認識されていることもあります。
リサーチはマーケティングの成否に関わる真剣勝負ですので、企業活動に役立つグルイン、いわゆる“良貨”が普及する世の中になってもらいたいと願っています。
グルインの中にも流派のようなものがありまして、大きく分けると、①「質問回答式」と②「話し合い式」に分かれます。①は司会者が個々人に質問を振り、出席者は司会者に回答するという方式で進みます。一つの質問について全員から回答を収集するというのも特徴です。②の司会者は「場」に話題を提供する役割をし、出席者同士での話し合いを促します。誰が何をどれくらい語るかは出席者に委ねられます。司会者は話題を人に振り分けたり、不明確な点を確認する役に徹します。
研究では、二つのグルインを同じインタビューフロー、同じ時間など極力条件を同じにして、発言の量、発言の質、マーケッターの印象を比較しました。
結果は、以下の通りです。
■発言量(発言録の文字数)
「質問回答式」:総文字数34,072字=出席者24,068字(71%)+司会者10,004字(29%)
「話し合い式」:総文字数34,254字=出席者27,259字(80%)+司会者6,995字(20%)
■調査課題「女性の体型の悩み対処に関する未充足ニーズ発掘」という目的に対して、「悩み、なりたい、やりたい」(ニーズ)、「そのための行動」「行動に伴う問題点」それぞれの発言数
「質問回答式」:「悩み、なりたい、やりたい」87個(重複除く60個)、「行動」46個(同43個)、「行動に伴う問題点」79個(同46個)
「話し合い式」:「悩み、なりたい、やりたい」100個(重複除く90個)、「行動」71個(同65個)、「行動に伴う問題点」145個(同98個)
■開発系マーケッター16人の印象
「質問回答式」:聞いていて聞きやすい。「質問回答式」がよい3件
「話し合い式」:印象に残る発言が出てくる。「話し合い式」がよい13件
今後、いろんなケースでの比較が必要でしょうが、今回の実験では「話し合い式」の優勢勝ちとなりました。
Posted by わくわくなひと at 21:30│Comments(0)