2011年07月17日

効率優先から五感を刺激するライブな売場づくりへ―東急ハンズ

 効率優先から五感を刺激するライブな売場づくりへ―東急ハンズ14日、JR博多シティで開催された福岡県産業デザイン協議会の通常総会と特別講演に行ってきました。
 今度の総会でJR九州の唐池恒二社長が同協議会の会長に就任。これは福岡のデザイン関連業界にとっては大きい出来事ではないでしょうか。デザイナー出身や大学教授の会長ではなく、クライアント筋であり産業界の人、しかも九州ではかなり影響力のある方が会長になられたということは大きなインパクトがありますね。この後、東急ハンズ社長の榊真二社長による「ここは、ヒント・マーケット。『東急ハンズ』」と題した講演もありましたが、「なるほど」「そうか」と何度も思うような面白い内容でした。
 『東急ハンズ』と言えば、博多駅方面に行ったときは、何となく立ち寄る店です。何かわくわくする店です。それが何か分からなかったのですが、榊社長のお話を聞いて、その秘密のいくつかが分かったような気分になりました。
 自分の日常を振り返ってみて、最も身近な店はコンビニです。このコンビニは効率の極致を行ってますよね。スタッフも少ない。商品も売れ筋しか置いていない。ニーズの平均値を充たす店だと思います。よくあるのが「あれ!自分のお気に入りの商品がなくなった」ということです。マスマーケットから外れた自分独特のニーズは、効率ゆえ充たされません。
 ところが、『東急ハンズ』はどうやら効率の逆を行っているらしい。コンビニでも通販やネットでも得られないリアルな店舗のよさを五感で感じさせるように演出しているそうです。いろんなこだわりグッズがこれでもかというほど揃えてあるし、ヒントスタッフと言うそうですけど店員の数もよそより多いですね。ときおり、いい香りもする。
「ここはヒントマーケット。コンビニ=便利、ブランド=豪華。東急ハンズはモノではなくヒントを売る。何かやろうという人の“きっかけ”、気づき、ヒント、提案を持ち帰ってもらう」というのがポリシーだそうです。
 確かに、ハンズである商品を見つけて、何となく、その商品を使っている自分やシーンが浮かんできます。確かに言われるまでもなく、商品は“生きるを楽しむ”ためにあることを気づかせてくれるので、何となくわくわくするのだろうと思います。
 この商品が欲しい。それは「何のために?」「何のためにこの商品が欲しい」ということが気づくような雰囲気になっているのです。
 東急ハンズには、コンビニ、効率性、ネット、通販など今、栄華を極めている業種に対抗していくためのヒントもいっぱい隠されています。
 よそとは違った“わくわく感”“なんか面白い”というわけがいくぶん分かったような気分になってきました。




Posted by わくわくなひと at 17:53│Comments(0)
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