2011年07月03日

『アイデアのちから』というより、内容は“見せ方”では?

 『アイデアのちから』というより、内容は“見せ方”では?ジュンク堂書店で創造性に関する本をまとめ買いしました。
 その時、書棚に平積みされているのに気づいて、“ついで買い”した本です。

 チップ・ハース+ダン・ハース『アイデアのちから Made to Stick ―Why Some Ideas Survive and Others Die』日経BP社(2011年3月17日第一版第8刷、2008年11月17日第一版第1刷)。
 最近、この手の翻訳本は、和訳に凝りますね。売れるためにはと、あれこれ考えているのだろうと思います。
 もともとのタイトルは、Made to Stick ―Why Some Ideas Survive and Others Die
意味は「忘れられないために:なぜ記憶に残るアイデアと忘れ去られてしまうアイデアがあるのか」だろうと思います。
 読んでみて改めて気づくことですが、内容は「アイデアのちから」ではなく、まさに「忘れられないために:なぜ記憶に残るアイデアと忘れ去られてしまうアイデアがあるのか」だと思います。
 「アイデアのちから」というタイトルから、アイデアとは何で、どうやって魅力的なアイデアを出していくのかが書いてあると期待しました。内容はまったく違い、記憶に残るアイデアには共通性があり、それを大事にしなさいということでした。極論すれば、アイデア出しなんかでは差はつかないので、アイデアを考えていく時に表現面や仕組み、仕掛けを考えていこうという視点です。メーカーさんというより、広告屋さんがとびつきそうな本ですね。差がつくアイデア出しのやり方や磨く方法は、あるにも関わらずですよ。
 つまり、メーカーさんのものづくりの現場では、ふつう、アイデアを出しとアイデア磨きを盛んに行い、商品コンセプトをつくっていきます。その後に、このアイデアを含む商品コンセプトの魅力を伝えるために次のステップで表現(広告)のコンセプトづくりを行います。
 この本は、ものづくりのプロセスの中でかなり後工程に入る広告やパッケージづくりのプロセスのことを書いていると思いました。
 この方法が、ものづくりすべてに通用すると誤解されると問題だと思いますが、内容は確かにためにはなりますね。
 「アイデアのちから」というタイトルでトライアルさせて、その後の満足感、「ちょっと内容が違うじゃないか」と思わせるやり方は、長い目でみれば、出版社や編集者への信頼が揺らぐ(解説者の勝間和代さんも含めて)と思います。内容自体は、けっこう良質ですから・・・。ティッピングポイントの本でも同じようなことを感じました。

■記憶に焼きつくアイデアの六原則
原則1―単純明快である
原則2―意外性がある
原則3―具体的である
原則4―信頼性がある
原則5―感情に訴える
原則6―物語性がある




Posted by わくわくなひと at 14:58│Comments(0)
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