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2011年06月30日

感動や考えたことが質を変えて私の中に生きる・・・山本安英

 感動や考えたことが質を変えて私の中に生きる・・・山本安英茨木のり子さんの随筆だったか、木下順二作「夕鶴」を演じてきた俳優、山本安英さんのことが書いてあり、この人の文章を読みたいと思っていました。
 しばらく山本さんのことは忘れていましたが、中井正一さんの『美学入門』に『鶴によせる日々』の一節が引用されていました。流れるようで肩に力が入らず、極めた人の落ち着いた文章。「ぜひ読んでみたい」。そう思いました。
 
 それでアマゾンで検索すると、札幌の古本屋さんに一冊あることが分かり、早速注文しました。そして、今日、届きました。

山本安英『鶴によせる日々』未来社(1975年2月15日第2刷、1958年3月20日第1刷)。本のデザインや装丁も明るい色だけど落ち着いています。意味は分かりませんが、“戦前の山の手文化”という言葉が浮かんできました。戦前の山の手の家庭を描いた直木賞作家の中島京子さんのことも浮かんできました。

 書名には、こんな思いが込められているそうです。

 『夕鶴』についてはIの「私と人生」を讀んで頂きたいと思ひますが、これは全國各地にある鶴の恩返しの民話に取材された戯曲です。すべての人間の心の底にある純粋さ、「鶴」によって象徴されるそのやうな「純粋」を、近代的な感覚を通してゆたかな詩と幻想の世界の中にくつきりと描き出された美しい作品ですが、「あらゆる人の心の奥に気づかれずにそつと棲んでゐる鶴」といふテーマによせて、「鶴によせる日々」といふこの署名はつけられてゐます。

 私も、“心の奥”。このところ、いや十年以上、これを追っています。どんな仕事も突き詰めると、これがテーマではないでしょうか。

 少しずつ読んでいきたいと思いますが、待ちきれず、「思ふままのことを -序にかへて 1950年1月初旬 山本安英」を読みました。

 すべては舞蠆の上で動いてしやべつてゐる私に集約されなければならない。日常の生活の中ではげしく感動し一所懸命考へたことどもが、質を変へて今演技してゐる私の中に生き、そのことによつて今扮してゐるその人物を私が眞にゆたかに演じ得た時、初めて私は本当に「感動した」ことになり本当に「考へた」ことになり、そしてそのやうに感動し考へることによつてのみ私の本質は成長する、つまり俳優としての私は本当に成長する―さういう風に私は思ふのです。

 本を読む。激しく感動し一所懸命考えたうえで、質を変えて私の中に生き、それが仕事なり何なりに活かされて初めて、本当に「感動した」、本当に「考えた」ことになる。
 本当に感動したり考えたりすることとは、こんなことなんですね。「感動した」「考えた」とかよく使う言葉ですが、プロとしての並々ならぬ“覚悟”と生き様が伝わってきました。“質を変へて今演技してゐる私の中に生き”。いろんなものを見たり聴いたりして、ある時、閃きがあり、それは見たり聴いたりして感動して考えたことが、質を変えて、これまでにないものが私の中で生まれてくる。そうなりたいし、安英さんに憧れます。

 これから読んでいきますけど、柔らかい優しい文章ですが、何か凄そうです。

 ところで、『夕鶴』を書かれた木下順二さんは、熊本ゆかりの方ですね。いつだったかバスで京町のクランクを通りすぎる時、「木下塾跡」?という石柱が目に入ってきました。木下さんのご先祖が開いておられた塾(江戸時代から明治の初めころまで)が、ここにあったのかと思い妙に感動したことを思い出しました。
感動や考えたことが質を変えて私の中に生きる・・・山本安英




Posted by わくわくなひと at 20:31│Comments(2)
この記事へのコメント
はじめてお邪魔します。

トレーシングペーパーに包まれた「レア本」ご持参なんて、お洒落でしたね(^o^)/

また宜しくお願い致します。
Posted by もいさいもいさい at 2011年07月03日 13:14
「熊本駅」の本は印象深いですね。
今度はぼろぼろの携帯時刻表をお見せいたします。
ふだんよく乗るのが、鹿児島線の熊本駅以北。西鉄大牟田線、福岡市営地下鉄です。たまに長崎本線、佐世保線、福北ゆたか線にも乗って車窓を楽しんでます。
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2011年07月03日 13:49
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