2011年03月30日

【津軽百年食堂】4/2封切!森沢明夫の美しい文章が映画に

 【津軽百年食堂】4/2封切!森沢明夫の美しい文章が映画に一年以上前に読んで、その皮膚感覚の情景描写に感動した小説が、ついに映画になりました。
 例えば、こんな文章です。
・北風が吹き、ペンキのはげかけた木枠の窓がカタカタと鳴った。すきま風がすぅっと忍び込んできて、哲夫の首筋をなでる。
・窓を開けた。すうっと流れ込んできた空気は、ひたひたに水分を含んでいて、首筋にひんやりとまとわりついた。少し埃っぽいような雨の匂いを大きく吸い込む。
・ごうっ、と強い風が吹いて、抱えていた布団カバーがはためいた。見下ろす神社の桜も激しく揺れ、ほの白い花びらが一斉に風にのって舞った。その花びらの流れが、川を憶わせた。
・懐かしい音だった。土間を行き来する足音、お湯がグラグラと煮立つ音、食器がぶつかり合う音、包丁がまな板を叩く音、それらすべての音の軸となるリズムは、柱時計の振り子の音だ。窓の外からは雀のさえずりが聞えていた。今日は天気はよさそうだった。
・宝月寺の前までくると、まだ葉っぱのないイチョウの巨木に触れてみた。木肌がゴツゴツしているけれど、不思議と暖かみを感じる。
・桜の花びらが地面に着地するときの、はらり、という音が聞こえそうなくらいに雑音がない。ただ、二人の足音だけが、妙に大きな音になって辺りに響き渡っていた。
・夜気がすぅつと動いて、目の前を一枚の花びらが舞い落ちた。


 津軽を舞台にした古い食堂の創作物語。監督は大森一樹、主演はオリエンタルラジオの二人。ヒロインは何と熊本市立京陵中学出身の福田沙紀です(私の娘の1学年先輩)。夕刊フジには「こんなときだからみたい映画」として紹介されたそうです。収益金の一部は義援金として寄付されるそうです。
 最寄りの映画館は、「シネ・リーブル博多駅」。博多駅横の交通センターにある名画座ですね。ただ、駅自体にシネコンができたことと関係あるのか、5月13日に閉館するそうです。【津軽百年食堂】4/2封切!森沢明夫の美しい文章が映画に




Posted by わくわくなひと at 17:47│Comments(0)
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