2011年03月24日

茂木と甲野が現代科学の限界について語る本!

茂木と甲野が現代科学の限界について語る本!茂木健一郎・甲野善紀『響きあう脳と身体』新潮文庫(平成22年11月1日)。
 福岡空港で買い求めた一冊。茂木さんの本は、ずいぶん読みましたが、最近は読む気がしなくなっていました。一番よかったと思ったのは、同じ新潮文庫の『脳と仮想』です。衝撃を受けました。
 この本は茂木さんと甲野さんという古武術家の対談です。現代科学の問題点や限界について語っていきます。福岡と羽田間で半分ほど読みました。

甲野 ・・・科学主義が浸透する中で、論理で説明できないもの、科学で説明できないものは「存在しない」という扱いにされてきた、そうした時代の流れの中で忘れ去られたものがたくさんある・・・今の科学でわかっているレベルにまで人体を部分化し、限定して引き降ろしてきて、話を合わせようとしている。・・・
茂木 ・・・極めてシンプルなことしかわかっていないわけであって、そのことを受け入れずに、身体とか脳とか心といった厄介なものを、従来の科学的枠組のシンプルなロジックで扱おうとするのは無理があるし、弊害がある・・・


 こういったくだりを読んで、伊豆高原での分析合宿に行き、その日の夜の食事兼宴会で、「今、消費者の心の中がどこまで読めるのか」「われわれは今、ここで今のコンピューターができないこと(同時並列性の解析)をしている」「血液型はあてにならないと言われるが、本当にそうか。シンプルなロジックで説明できないだけでは?」「バーチャルで出会うことと、リアルで出会うことの違い」など、そんなことが話題になりました。
 自分が投げかけた話題ではなく、そんなことを他のメンバーが言い出しました。合宿に参加する前から、自分の関心が他のメンバーの関心と同調していたことに驚きました。
 この本は21世紀の知識産業の基本的な方向性を俯瞰した名対談をうまく編集した内容だと思います。20世紀から続いてきた今の世の中の考え方の限界がどこにあるのか、当たり前、常識と思っていることが本当にそうかと、それを自覚する、しないでは大きな違いがあると思います。
 原子力や自然のことなど、知れば知るほど分からないことが増えていっていることは、どうやら事実のようです。想定外ではすまされないことが多すぎますので。




Posted by わくわくなひと at 20:51│Comments(0)
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