2011年03月11日

心の中の分析 伊豆分析合宿の強烈な刺激!

 心の中の分析 伊豆分析合宿の強烈な刺激!一足早い春を、どこまでも続く雄大な太平洋を眺めながら、人の心の中を分析していく。
 年度末の錯綜期にもかかわらず、こんな機会を与えていただいた同僚や関係者の方々に厚く御礼を申し上げます。
 心理学者、リサーチャー、メーカーの素材等の研究者とマーケ担当者が、グループインタビューのビデオを見ながら、2日間、散歩などの休憩をとりながらも、まったく新しい商品コンセプトについての分析を繰り返しました。
 この空間では共通の概念を表現する短い言葉が共有されていました。だから、知らない人同士で、ふつうなら、かなり費やすことになる時間を省略することができました。例えて言えば、微妙なニュアンスや考え方を方言で短い単語でお話できるということです。このため、頭の中はけっこう回転しているものの、少ししょっぱい温泉に入ったり、咲き始めた野山の桜を眺めたり、太平洋の雄大な景色を堪能することができたことと思います。血液型や●●グラム?による性格診断の話でも盛り上がりました。
 そんな時に役だった本を一つ紹介したいと思います。私の師匠の本で、梅澤伸嘉『ヒット商品を生む! 消費者心理のしくみ』同文舘出版(平成22年5月6日初版)です。この本の44~45頁に、「心の中」のメカニズムはどうなっているか …が書いてあります。
 人々の発言、ニーズ、行動…。そして、その結果として、この人たちは充たされているのか?単にビデオを見て発言内容をメモしているのではありません。発言を聴いて、全体の雰囲気やエネルギーの刺激を受けて自分の頭に浮かぶことをメモしていきます。「この人が発言した行動は…。この行動によって、この人は満足しているのか。充たされていないのか、困っているのか」「何で、この場面で、この人はこんな発言をしたのか」「彼女たちの発言そのものを聴くとコンセプトの受容性が低いと思われるが、行動していることをみると受容性は極めて高い」など、「なぜ」「なぜ」の繰り返しメモです。
 こんな時に、くだんの本の44~45頁が頭に入っていると、「あ!そうだ」というアッハ体験をすることができます。
 「心の中」は本能系、刺激系、反応系、ストック系に分かれているとされています。この各系が因果(●●だから●●)・対立(●●しかし●●)または並列関係として存在しているらしい。人の心は一本の線(Y=aX+bなど、コンピューターのように●●だから●●ときれいに整理されている状態)ではなく、さまざまな思いが因果、対立したり、併存したりしているということだと思います。20世紀の科学は、あらっぽく言えば、一本の線にして解釈することに注力してきました。しかし、それだけでは分からないこと、例えば血液型と人の性格の関係など、むしろ科学では立証できないけど何かありそうなことが、たくさん出てきて限界が指摘されるようになってきています。21世紀の大きなテーマは並列関係の分析だと改めて思いました。
 こういったことを頭に入れて、発言だけでなく顔の表情、身の乗り出し方などを含めて、書き込む作業を行いました。結果として、新商品コンセプトの受容性は極めて高い。具体的な改良点はこれとこれ、1~2年後、“砂漠の旅人に水”のような「私が求めていたのはこれ!」と思っていただけるような商品がつくられていくことが分かってしまいました。

(44頁の内容を一部抜粋)
本能系-すべての行動や意識は「深層心理」の大元にある「本能」によって支配されます。それは死ぬまで続きます。「欲求充足の自動装置」の大元です。
 「本能」は①生命保存本能と②幸福追求本能からなります。前者が「生きる力」、後者が「生きがいを求める力」「幸せを求める力」です。
刺激系-内的刺激である「生理的アンバランス感情」と「心理的アンバランス感情」という不快な刺激が、「生活ニーズ」(Doニーズ)を発生させます。また、外的刺激である「ストレス源」と「誘引」があり、「ストレス源」は内的刺激を発生させます。一方の「誘引」は「商品ニーズ」(Haveニーズ)に応えます。
反応系-本能系と刺激系によって発生する「ニーズ」「行動」「満足」が反応系です。これは消費者本人にも意識をされることが多いものです。消費者の意識と行動を理解するための基本が「ニーズ-行動-満足」の関係です。ニーズ(生活ニーズ→商品ニーズ)が行動(購買→使用)を引き起こし、その結果、満足に至ります。
 もちろん「商品ニーズ」に応える「誘引」(商品)によっては「不満足」で終わったりします。そして、満足の継続の末に「飽き」が生じ、不満の末に「諦め」が生じますが、そのことによって身体や心のバランスを保っているのです(内的刺激が解消された状態)。バランス感情の獲得が「満足」といえるのです。
ストック系-記憶や学習を司るユニットであり、好み、態度、イメージを形成したり、主として「ニーズ-行動-満足」に関する知識や経験を蓄積します。そして、人生を豊かにする働きがあります。心の中の分析 伊豆分析合宿の強烈な刺激!




Posted by わくわくなひと at 16:03│Comments(0)
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