2011年01月27日

つねに黒字に導き、大いに働き、そして遊び、人生を謳歌する!

つねに黒字に導き、大いに働き、そして遊び、人生を謳歌する!長谷川和廣『社長の財布』経済界(2010年12月22日初版第1刷)。
 昨年末、TSUTAYAで背表紙を見かけ一度手に取りました。しかし、その時は買うまでに至らず、「やはり読んでみたい、のぞき見したい」という気持ちになり、1週間後に買いました。そう思わせたのは、たぶん“社長の財布”というネーミングでしょう。
 ところで、年末年始は1日しか休みがとれませんでした。ありがたいことに、年末に年度末までの新たな仕事、それも自分たちの強みが生かせそうな仕事が3つも舞い込み、いきなりトップギアを入れました。それでも年末年始は社長業の勉強をしようと決めていましたので、3冊の本を読みました。この本は社長業の自習本の一つです。
 お金や利益は自分の行動の結果と先輩経営者たちからよくご指摘を受けます。ときどきは、こういう書物を読んで気持ちを新たにすべきですね。と言っても、私は読んだことはすぐ忘れますので、何とか体で憶える必要があります。それで、1日の夜だったか、本に線を引いた箇所をワードに打ち込みました。
 ほとんどがお金と人の話です。お金と人とに真摯に向き合います。

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・経営とは全社員の努力をいかに効率よく、“お金という数字”に置き換えるかという作業

・黒字と赤字の差、それはたった1円の差でも天と地を分ける差である
・何がなんでも黒字にするという執着心、1円でもムダ金を使わないという心構え
・Work hardを肝に銘じて会社や自分の部署をつねに黒字に導き、心に余裕を持って大いに働き、そして遊び、人生を謳歌する

第1章 お金で成功する人、失敗する人
01 人は感情の生き物。だから心からの感謝の気持ちがお金につながる!
・人は褒めて育てろ
02 金は不思議なものだ。借りるときは得した気分に、返すときは損した気分になる
・お金の場合は、相手の本心が「目元と口元に出る」
03 お金をもらう側の考え方、お金を払う側の考え方
・「自分の給料は自分で決める」という考えを強く持っている人を育てる
04 やる気が出るまで待っていたら何ひとつできない!
・やる気が出ないときほど、ムリに働いてみる-。

第2章 できる人は「情報」をお金に変えるのがうまい
01 「知」や「情報」に払う労力や金額を惜しみすぎるな!
・自腹を切る人と切らない人の間には、実際の成果に大きな差がある
・毎日必ず直帰する人と、たまには帰りに取引先と食事をして情報交換している人とでは、たったの半年で大きな能力の差が出てしまう
02 締め切った社長室だと都合のよい情報しか入ってこない
03 仕事に必要な情報の90%以上は自分の身の回りで揃えることができる
・一途に仕事をしていれば、必要な情報の90~95%は勝手に入ってくる
04 多くの人が手にできない情報を一人占めするには?
・お金持ち同士が金持ちでいられるのは、そこに情報が集まるから
05 “本当の儲け”というものは何か?それを知らない人はマネジメントに失敗する
・利益を優先的に考えて逆算していく発想が、業績を上げるノウハウである
06 合理的、かつ迅速に仕事をするための究極のツールは?
・知恵を絞って考え抜かれたフォーマットやテンプレート
07 戦略家がいる会社、いない会社
・組織内に企業戦略家を育てれば社長の財産に
・自社を有利な立場に導くことができる人。具体的には中長期のスパンで、シェアを取って利益を上げることのできる人
08 ライバルと比べて微妙な差を見つけてくれば財布はふくらんでいく!
・マーケットを拡大する手法のひとつが、いかに“微妙な差”を見つけて新たな商品を作り出すかにある
・新しい市場を見つけ出すということは、「独占的なスタートを切ることができる」という大きなアドバンテージを持つことになる
09 値下げ競争に突入すると、会社の財布はスッカラカンになる
・ライバル会社が値下げをしたら、「チャンス到来!」と思え。その間に、高品質の商品を高い値段設定で発売し、差別化を計ると同時に、しっかり利益を確保する
10 糖尿病会社に気をつけろ!
・「これくらいの経費を使っても大丈夫だろう」「少々赤字になったけど問題ないだろう」「今月は目標に達しなかったけど、まぁいいだろう」という会社は糖尿病
・貸借対照表の数値をしっかり見ると、危ない部分がわかり、素早い対応できるもの
11 会社のカルテは貸借対照表と損益計算書。危ない兆候は、必ずココに表れる!
・損益計算書に財務で特に重要になる項目や経営戦略などを書き加えた『戦略経営会計書』を作成し、全社員に徹底させる
12 公私混同は社長の特権なのか?
・中小企業は自腹を切ったり、保証人になったりして、大いに公私混同をして、やっと会社を回しているのが実情。しかし、儲かったときほどフンドシを締め直すのが商売の鉄則
13 従業員たちは一番のコストに気づかない。社員と経営者の感覚の違いが表れるのはこの部分!
・社員というのは、人件費に対して無頓着。給料が天から降ってくると思っている社員もいるくらい
・しかし、真っ先にリストラは考えない。まず従業員を効率的に使うことを考える。
14 下手な経費削減をすると利益のほうが削減されるリスクも!
・経営で『節約』を考えるとき、それは『効率化』という言葉と置き換えて考えなければならない
15 タイム・イズ・マネーの本当の意味とは?
・ひとつは「時間はコストである」
・もうひとつは「時間はお金を生産する」
16 時間はお金!ムダを作り出しているのは自分自身なのだ!
①仕事には、必ず優先順位をつける
②達成目標時間を設定する
③多くの仕事を一度に抱えない
④一日の計画を立てる
⑤書類やメモ、机などを整理しておく
⑥先延ばしにする性格を改める
⑦あせらない、短気は損気と心得る
17 一日のスタートが大切!たった5分の出遅れで大差がついてしまう
①今日も気分よく、前向きにクヨクヨしないでやろう
②今日の計画をもう一度、確認しよう
③ただちに仕事に取り組もう
④やりかけの仕事はさっさと片付けよう
⑤新しい企画を3つは考えよう

第3章 節約やリストラでは“利益”は出ない!
01 社員を減らしても赤字は減らない!
・従業員は資産であり、多くの価値を生み出すパワーであると考えて、それを十二分に有機的に動かすシステムをつくっていく
02 結果を出す人ばかりを厚遇していると、組織は必ず壊れていく
・日頃スポットライトが当たらない仕事を忠実にこなしている人や目立たない部署で懸命に働いている人たちがモチベーションをなくさない職場づくり
03 会社を経営するには高等数学なんか必要ない。現状把握できればいい
・大胆に方向転換すべきか、方針は間違っていないのだからこのまま勝負するか
・現状を把握できる貸借対照表や損益計算書から浮かび上がる数字を一瞥して問題点や修正点をイメージする能力が、社長には必要
04 ピカピカのベンツとクタクタの社員
05 知的腕力を持たない社長はいつまでたっても社員からなめられる
・バカ殿状態にしてくる社員がいる。論理的に問題点を挙げて厳しく糾弾できる、そんな知力と腕力が必要
06 儲けから考えると儲からない。人に何かを与えることから思考しなさい!
・商売の鉄則はまず、「お客様に何を与えるのか」を考えること
・調子が落ちたときこそ、実績を上げようと焦る前に、自分がお客様や上司、取引先の“役に立っているかどうか”を考えてみること。すると道は必ず開けてくる
07 誇りを持って社員たちが働く。そのための金と労力を惜しんではいけない
・全社員を集めて「皆さんのお子さんたちが『うちのお父さんはこの会社に勤めているんだ』と自慢できる会社にしましょう」と訴えかけると同時に、不正やごまかしを許さない体制づくりをする。そしてお客様のみならず、社会の利益になるような商品開発や事業展開を心がける。すると、みるみる社員たちの目の色ややる気に満ちあふれてくる
08 “感受性”が鈍い会社は弱い。儲ける会社はどこも問題発見能力が高い
・強い会社とは、問題発見者が問題解決者になっている会社
・「こんな問題が起きたけど、自分ならこうするべきだと思う」と、問題の解決法までに頭が及ぶ社員ばかりの会社が強い
・一人ひとりが現場で起こった問題点とその解決策を考えることは、商機を逃さない会社になるための条件
09 財布をふくらませるために、ますはあなたの人格をふくらませなさい!
・金より何より大切なのは人格。信用がないために引き出せないのは、何もお金だけではない。情報や才能、アイデアや商機・・・、これらを信用できない人に提出しようという人はいない
10 社長が社内をウロウロしている会社ほど実は儲かる!
・陣頭に立って闘う姿は、何よりも部下たちを鼓舞する

第4章 考える前に行動。動かなければお金は手に入らない!
01 頭がよくなると大儲けができなくなる。無能でもいいから、“動く人”になりなさい
・どうしたらできるか工夫し、何回もチャレンジする。実はこういうトライ&エラーを繰り返すことほど仕事の能力を伸ばす訓練はない。
02 大ヒット商品は現実感覚や皮膚感覚を持っている経営者から生まれる
03 失敗から学べない経営者からは新たな失敗しか生まれない!
04 部下のモチベーションこそ利益に直結する。それがわかっていない経営者は最悪です
05 社長の技能は“目標設定能力”に表れる・・・
06 経費削減効果がもっとも高いのは決断のスピードを上げること
07 買収されるくらい魅力な人になりなさい!しかし、買収されそうな人を優遇するのは止めなさい!
08 “損か得か”の判断スピードを上げれば上げるほど、成功する機会が増えてくる!
09 楽天やユニクロが社内文書を英文化した理由を考えてみました・・・
・「やるか、やらないか」をハッキリと述べなくてはならないから
10 頼られる人になれないなら、せめて“頼まれる人”になりなさい
・社長営業ができるのは大きなメリット。契約の前段階から社長が顔を出して経緯を把握することで、相手も信用してビッグビジネスを成立しやすい
11 意識的に会話の中に数字を入れる。それだけで“真剣さと厳しさ”が身につく!
12 ストックばかりに目がいく会社は儲からない。フローにも目を向けて、お金の流れに勢いをつけよう
・お金は使ってナンボ。ため込みすぎると腐ってしまって、いざというときに役に立たない水のようなもの
・ムダに見えても、設備を充実させたりすると社員のモチベーションも上がるし、周囲にも伸びている会社というイメージを植え付けることになる


第5章 残業代を惜しむ会社は生き残れない!
01 “ちょっと成功した後”が一番危ない!
・ちょっとした成功を元手に、新たな成功を勝ち取り、社員に還元するくらいの気持ちは持たないと、かえって会社を傾ける結果になりかねない
02 価値を演出するからお客様が手を出してくれる
03 マラソンの高橋尚子さんが強かったのは、猛練習の中から自分の限界を知ったから
・ハードワークを経験して自分のできるところできないところの見極めがついている社員は、ムリそうなら他人に仕事を任せる、または上司に手伝ってもらうことをいとわない。マラソンと同じように、自分の限界から逆算して、ゴールまでどういう作戦でたどり着くかを上手にマネジメントすること
04 世界に飛び出すために知っておいてもらいたいたったひとつのこと
・お金に固執するような人を高く評価する社会は、どんな国にもない
05 信用しすぎて痛い目に合うな!
06 ビジネスは魚釣り。喰いついたら、その勢いに乗れ!
07 取引先との食事・・・。会計の場面ですぐに財布を引っ込める人は信用できません!
08 簡単な話術で相手の気持ちを鷲づかみにする方法
09 社員の残業代を惜しむな。誤ったコスト意識が経営をダメにする
・仕事にはコストがかかって当然-そんな腹が定まってない人物に経営を任せていると、会社は決して発展しない
10 儲かっていない会社ほど、他人のムダ遣いを気にとめていない
11 ビジネスでは拙速を尊ぶべし!そして、指示を出す場合は3つのポイントを守るべし!
①何をして欲しいか
②いつまでにその作業を完遂して欲しいか
③何のためにその作業が必要なのか(目的を示す)

第6章 ゴールを示せば、お金は後からついてくる
01 怒鳴るよりも褒めるほうが儲かる!
02 叱責しても直らない部下の悪癖。見捨てる前に、現実的な解決策を探ってみよう
03 社員たちを小役人化してしまうとビジネスの迫力が生まれない!
04 ビジョンを示さないトップは社内に混乱をもたらす
05 使いっぱなしで「はい、ご苦労さん!」では絶対に人は育たない
06 本人がやる気にならない限り才能は開花しない
07 やる気や熱意をうわべだけで計るマネージャーは、もっとも無能な管理職!
・口先だけの熱意では意味がない。評価の基準は具体的な戦略イメージと戦略計画を持ち、それを実践に移す能力があるかどうかが決め手
08 上司こそ礼儀正しく。「おい、お前!」では部下は動かない
・キチンと名前を呼ぶ
09 わずかな傾きに気づくか気づかないか。経営センスはそこで測れる!
①間違った予測に基づく戦略ミス
②収益性の管理が下手
③仕事を徹底的にやり込んでいない
④製品に競争力がなくなっているのに気づかない
⑤社長が遊びなどに夢中で社員を顧みない

第7章 “財布”を見れば経営能力がわかる
01 不況のときこそ、経営者は社員より苦労しなさい
・自分が相手の2倍3倍働き、その姿を見せる
02 権力で人を動かそうとすると、パフォーマンスを落としてしまう!
・権力とは強制力を背景に人を従わせるパワー、そして権威とは強制力がなくても人を納得させることができるパワー
03 理念があるかないか。それが企業の強さを決める
04 会社の体質改善を図りたいなら、若手社員の意識を変えよう!
・社内の5%の人を意識改革できれば、その熱い火は社内全体に広がっていく
05 経営を支える力は8つのチェックですぐわかる!
①社長はもともと営業部や企画部などの現場出身である
②会議では、社員よりも社長から企画を出すことが多い
③たとえ利益が出ても、筋が通らないことは部下にさせない
④異例の人事を断行することがある
⑤社員が社長の悪口を言うのをほとんど聞いたことがない
⑥社長の言葉遣いや発言内容を、すぐに思い浮かべることができる
⑦上層部の人間が会社の夢や目標をよく語っている
⑧社長の言うことが首尾一貫している
06 営業に強い経営者こそ学ぶところが多い!
・マーケティングや営業の実務能力こそが求められる。なぜなら、どんな仕事にもお客様があり、それらはすべて利益に結びつく営業活動であり、この能力がなければ重要な決断など何ひとつ下せない。
・新規事業や新製品を自分で企画立案できるくらいの発想力や構想力も必要。単に金勘定や組織づくりに長けているだけでは有能な社長とは言えない
07 誰からも好かれるために“お金にきれいな人”と呼ばれたい!
・経営力や財政センスを身につけるための第一歩は財布の整理
08 意味もわからずに“戦略”という言葉を使っていませんか?
・戦略とは“自社を有利に導く計画実行力”
09 企業の財布の中身はこんなところに表れる!
①重要な社員や有能な社員が突然退社していく
②社長の名刺に本業以外の肩書きがたくさん書かれている
③社長が外国車を何台も所有している
④ビジネス経験のない二代目が社長を継いでいる
⑤支払いが現金から手形に変わる
⑥手形の決済までの期間が長くなる
⑦仲間取引が急激に増える(反対に急に減るにも危ない兆候)
⑧経営者がほとんど会社にいない
⑨会社に見慣れないに人間が出入りしている
⑩トイレやゴミ箱の中など、見えない部分が汚い
10 安売り競争を仕掛けるなら製造コストを極限まで絞ってからでないと自分の首を絞めるだけ!
①競合他社に負けない価格
②最終消費者が値ごろ感を持てる価格
③製造コストに利益を乗せた価格
11 ツキを呼び込む会社とツキに見放される会社。その差はココにある!
①数年に1度は新規事業を展開している
②会議で提案される企画数がかなり多い
③ライバル社のヒット商品に敏感。ヒット要因をすぐに分析・研究する
④社長の交際半径が広い。話題の人物にもコネを持っている
⑤今、売れている製品・サービスに経営資源を集中させる柔軟性がある
⑥実績を上げた社員を抜擢する(組織が年功序列ではない)
・ツキというものを分析すれば、他より多くの機会を作り出し、その機会から生まれた成功の芽を大きく育てることができる力
12 叱られ役をつくるときは有能な人から選びなさい!
13 社長の財布の作り方
・財布をズボンの尻ポケットに入れない
・お札はきれいにそろえてから財布にしまう
・1円を笑う者は1円に泣く




Posted by わくわくなひと at 20:00│Comments(5)
この記事へのコメント
読書会でおっしゃっていた本ですね。

すごい量だったのでプリントアウトして、線を引っ張らせてもらいました。

その中から、まずは…出来ることから始めようと思います。

>>09 財布をふくらませるために、ますはあなたの人格をふくらませなさい!
>>無能でもいいから、“動く人”になりなさい
>>06 本人がやる気にならない限り才能は開花しない

今後、自分が何がしたいのか、何が出来るのか…考えている今日この頃です…。
Posted by あや3あや3 at 2011年01月28日 15:34
紙資源を浪費させてしまいました。偉そうなことは言えませんが、「自分が何がしたいのか、何が出来るのか」に、自分が世の中から求めていることは何か?この3つが組み合わさると、強いビジネスモデルになりそうですね。
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2011年01月28日 19:09
なるほど~。

その3つがグルグルいつも頭を巡っている状態がいいのかも知れません。

考えるっきゃないか。
Posted by あや3 at 2011年01月28日 19:24
下世話なことを言うと、ひとりよがりでは商売になりませんので・・・。
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2011年01月29日 18:40
世のニーズに合ってないなら商売にならないですよね。

下で働いている身としては、自分が何がしたいのか、何が出来るのかなんてそんなこと問われてませんし・・・
Posted by あや3 at 2011年01月30日 09:25
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