2010年12月13日

幕末・明治版・家政婦は見た!「女百話」を鹿児島でゲット

 幕末・明治版・家政婦は見た!「女百話」を鹿児島でゲット今日は鹿児島中央駅横にある紀伊国屋に立ち寄りました。
 旅の途中だからバッグが重くなるにも関わらず、福岡のジュンク堂になかった(見つけきれなかった?)本がありました。
 篠田鉱造『幕末明治 女百話(上)』岩波文庫(2009年7月9日第5刷、1997年8月19日第1刷、底本四条書房『幕末明治 女百話(前編)』昭和7年)と『同(下)』(2009年7月9日第4刷、1997年9月16日第1刷、『同(後編)』)です。
 帯には「他では読めない」「岩波文庫/一括重版」と書いてあり、ますますその気にさせられました。
 ジュンク堂で立ち読みしていて、加藤周一さんだったと思いますが、「『女百話』という面白い本がある。けっこう小説などの種本になっている。嘘だと思うなら岩波文庫の出版目録を見たらいい」というような文章を読みました。「うん!それなら読みたい」と10メートルほどあるジュンク堂の岩波文庫の棚を見ましたがありませんでした。
 まえがき(今は実に危機一髪)に、こんなことが書いてありました。幕末・明治の“家政婦は見た”かな?、けっこう面白そうです。

 女百話?本書の特色は百話のすべてが女性の唇頭から発している点にある、これをば単に面白い思い付だというて片付ける人があらば、それは余りに軽率である、著者の真意は猟奇に駆られたのでなく、他に意味があるであろう。全体女性は男性と異って語る機会を有たぬ、公然語ることは尚更である。随て女性の語ることには隠れたることが多い。尚歓楽の仕方も女性は男性と異っているし、趣味も同じく無い。女性は概ね感情的で、その歓楽は微に入り細に入る。男性が大まかに気にも留めないことを、女性はぬかりなく掴む。男性が聞き流しに附することを女性は遁さず記憶する。男性は多くの場合瑣事に頓着しないが、女性はかえってこれに興味を有つ。ともすると、男性は自分から成したことすら記憶しないことがあり、物の歓楽も往々にして放漫に流れる。だから男性に聞いて知り難いことが女性に聴いて委曲に分かることが往々にある。尚女性の一徳ともいうべきは、男性の立ち入り難い所に入り込んでいろいろの秘密に接し得ることがある。すなわち宮仕をするものでなければ、奥深い殿中のことが分らず、豪紳の家庭に住み込まねばその内政が分らず、寺院に立入らねば僧侶の内生活が分るはずなく、料理屋待合に居らねば客の秘密は知り兼ねる。しかるにこれらの内所には女性のみ立入る特権を有し、男性には絶対禁断の所である。ところで人情はオツなもので、どんなに鉄錠を卸している堅固の男性でも、女性に対しては誠に脆くともすると心を許して錠を外すことのあるのは珍らしくない。だから女性ほど人の秘密を知るに便利な立場にいるものはない。随って女性は男性の知らない多くの秘事を知っている。そして多くの場合直接本人より口ずから聴いたり現場を目睹しているから、その事実は概ね正確である。女性をして語らしむることが如何に意義あるかは、コンナ粗略な記述によっても思半ばに過ぐるものがあろう。




Posted by わくわくなひと at 15:54│Comments(6)
この記事へのコメント
給湯室でいっぱい勉強しました♪
Posted by あや3 at 2010年12月13日 19:28
平成の女性にとっては、確かに給湯室ですね。でも、今は給湯室に男性がけっこう出入りするようになってきて、最後のサンクチュアリはどこへ行ったのでしょう。今は携帯かツイッターか?サラリーマン時代は平成になってから、けっこう給湯室に行ってました。自分のお茶やコーヒーをつくるためです。
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2010年12月13日 20:13
給湯室、更衣室、トイレは情報の渦でした。

喫煙する女性が増えたので、喫煙所も今やそのような場なのでは?

それと女子会という名のドロドロトーク・・・

女の子はメールも好きだけど、会って話すのが一番もりあがりますぅ。
Posted by あや3あや3 at 2010年12月14日 05:34
井戸端会議のようなグループインタビューをマジックミラー越しに聴くのを生業にしています。無口な方ですが、人の話を聴くのは嫌いじゃないのかも知れませんが、ふつうに生活している人がいつもそんなことを仕事にしている人間がいるということを知ったら、どう思われるでしょうか?変なやつには違いありません。
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2010年12月14日 12:44
そんな仕事しているんですか!!!

おもしろそう…
Posted by あや3 at 2010年12月14日 15:43
聴くのが商売です。ただ、インタビュー次第では、そこんところは俺にしゃべらせろと思うこともあり、欲求不満な時もあります。ビジネス書はもうあきあきしていると言いながらも、エロ小説読んだり、女百話に飛びつくのも、まわりまわって仕事のことを考えているからでしょうね。少し寂しいような気もしますが・・・
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2010年12月14日 17:10
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