2010年11月09日

「急に売れ始めるにはワケがある」書名よりも中身があります!

 「急に売れ始めるにはワケがある」書名よりも中身があります!「急に売れ始めるにはワケがある」ソフトバンク文庫(2009年6月17日初版第6刷、2007年6月30日初版)。
 だだっ広いジュンク堂の文庫本コーナーで、目に飛び込んできました。
 確かに、営業マンや私のような経営者には、気になる言葉です。えげつない感じもします。帯には「ベストセラー作家 勝間和代氏推薦!」と書いてあります。「あっあの人か。去年は何冊か読んだけど。もう読みたいと思わない人」と思って手にとりました。
 裏表紙には、「流行現象を口コミによる感染ととらえ、そのメカニズムを説き明かします。」と書いてあり、確かに興味があることだから「読んでみるか」と思いました。
マルコム・グラッドウェルというニューヨークのライターが書いた本で、読んでみて、「へぇー」と「なるほど」と思うことが多かったですね。

 不満は日本の編集者にあります。もともとの書名は、こうですよ。トライアルのことばかりを気にしていて、読後感(満足)のことへの配慮が足りません。

The Tipping Point : How Little Things Can Make a Big Difference

 ティッピング・ポイントは、「あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れ出し、野火のように広がる劇的瞬間のこと。」だそうです。
 どのようにして小さな事柄が大きな差異を生むことになるのか?商売のことに限らず、NY市犯罪率の低下、アメリカ独立革命、セサミストリート、ブルース・クルーズ、梅毒の感染、自殺と禁煙、美容院から始める乳癌予防などの事例を示して、ティッピング・ポイントのことと野火のように広がっていく様子が書いてあります。例えば、NY市犯罪率の低下は地下鉄の落書きを消していくという環境美化活動という小さな動きから始まったという話は驚きです。小さなことが、やがて大きな動きを起こす事例がたくさん載っています。
 この内容で書名が「急に売れ始めるにはワケがある」。違和感を持ってしまいます。
 確かに「急に売れ始めるにはワケがある」でビジネス関係の人は手にとるでしょう。しかし、このタイトルで非営利的な業務で社会にいろんなことを伝えたいと思っている人が手にとるでしょうか。内容はすごくよかったので、著者に失礼ではないかと思いました。
 この本に書いてあることを即刻、応用できるほどは吸収していません。しかし、引き出しの一つとして頭の片隅に貯蔵しておいて、応用する日はあるかも知れません。


Posted by わくわくなひと at 19:30│Comments(0)
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