熊本～福岡往復4枚切符！Ｂｙ岡田雁林

　熊日新聞、西日本新聞に載ってました。

　熊本ラーメンの老舗で首都圏にも店舗を持つ「桂花（けいか）」（熊本市）は1日、熊本地裁に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けたと発表した。「味千ラーメン」が支援する方針。（2日付け西日本新聞より）

　熊本ゆかりの者としてはショックです。桂花ラーメンと言えば、熊本ラーメンの老舗ブランドです。東京にいたころは新宿から京王線で5分くらいのところに住んでおり、桂花ラーメンの新宿店が賑わっているのを見て誇らしかったですね。今日の午後、下通の裏路地を歩いていて、テレビ局が「桂花」下通店？に来ているのを見かけました。まだなくなるわけじゃないから、テレビ局も応援してくれるといいんですが･･･。
　民事再生法申請で、しかも世界の味千ラーメンが応援してくれということですので、桂花ラーメンがまだなくなったわけでありません。再生の可能性は大ありです。太麺と白濁した豚骨スープなど、ほかの熊本ラーメンにはない美味しさを追求しているところが好きです。もちろん熊本ラーメンの大きな特徴であるニンニク味はありますが、他の熊本ラーメンと違ってニンニクが押しつけのように感じることはありませんでした。熊本の街と東京の街で鍛えられた豚骨ラーメンの草分けであり、（私は嫌いではありませんが、）豚骨スープの臭いを感じる福岡系ラーメンよりも洗練された味に仕上がっていると思っていました。年に10回くらいは熊本交通センターの地下にある「桂花」で太肉麺（ターロー麺）の小さいやつ、「コタロウ」とグリーンジュースを頼んでいました。
　「桂花」はなくすべきではありません。熊本というよりも熊本の街中のアイデンティティの一つです。
　さすが地元紙というか、熊日新聞は味千ラーメンからも取材をしており、正確ではありませんが、味千さんの「味千は郊外、桂花は街中だから競合しない」という談話が載っていました。
　熊本市の中心市街地に行く人が減り、郊外のショッピングセンターに流れる人が増えています。こういう大きな動きが街中の熊本が誇るブランド「桂花」の業績にも影響が出ているのではないかと。直接はフードパルの工場への投資が重荷になったと書いてありましたが、売上の面から見ると、中心市街地の地盤沈下と熊本ラーメン業界の多数乱戦状態が原因だと思います。
　今、市長選の最中ですが、鹿児島市や福岡市、長崎市などと比べて熊本市民の移動手段が自動車に偏り過ぎているのは異常です。中心市街地を活性化させるためにも、市電やJR、そして鉄道駅を中心としたバス網など公共交通の抜本的な対策を新市長には頼みたいところです。
　それと、西日本新聞には「桂花」の記事の下に、熊本で結構頑張っていた洗剤メーカー、三協油脂が熊本地裁に民事再生法の適用を申請したことも載っていました。これも惜しいことです。