2010年10月31日
老年期の人たちの心理と行動を描く。伊藤整『変容』

途中、天神西通りで旧知のバード稲原さんに会いました。今日も街頭を歩く美少女の写真を撮っていました。「天神から丸善がなくなって困ったもんだ」と、そんな話をしてジュンク堂に行きました。
今日は多少お堅いイメージのある岩波文庫から、伊藤整の『変容』を買いました。一年くらい前に、ある程度齢を重ねた時に読んだらいい本と紹介されていたものです。
汽車の窓の左側に小さく、市街の家並から抜け出て、壁の白い天守閣が見えた。・・・二年ほどかかった修理もすでに完了し、二重の入母屋作りの破風を見せて、典雅な形でこの町の上にそびえている。・・・
この文章から始まる小説です。無駄のない大人の男性の文章のリズムが何とも心地よい感じです。
老年期に入ろうとする主人公たちが展開する心理や行動は、性の快楽が青年の特権ではないこと、さらには、それらの行為を通して人生の真実により深く到達するのは、若者や壮年よりも老年であることを啓示する。
哲学者の中村真一郎さんが書いてあります。暇見つけて、こっそり読み終えたいと思います。
Posted by わくわくなひと at 18:50│Comments(0)
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