2010年10月01日

【リビング熊本】元オトコモンを特集!切り口が面白い

 【リビング熊本】元オトコモンを特集!切り口が面白い女性のための生活情報紙「リビング熊本」の切り口は面白い。
 10月2日号の表紙は「元オトコモンがウケてます もう男性だけの商品じゃない!」。「何だろう」と飛びついてしまった。
 女性向けの生活情報紙は、たくさんポストに入ってくる。正直、スイーツやグルメ、レジャーなどの情報は、「またか!」という感じで、即刻ゴミ箱行き。この「リビング熊本」だけは、“女性のための生活情報”というしっかり視点を持っていて、ときどき「面白いじゃないか」と思うことが多い。今回のネタは「リビング大阪」からということで、全国ネットワークの知恵を十分に生かしており、競合他紙の一枚上をいっていると思う。

 ダンナが使っている“あれ”使いやすそう。男性専用じゃなくて、女性向けにもあったらいいのに・・・。そんなミセスが使っている・使いたいオトコモン(男物)、オンナモン(女物)になったオトコモンなど、女性ウケしている“元”オトコモンについてリサーチしました。

 なるほどという視点であり、オトコモン、オンナモンという西日本では通じる言葉を使って面白くしているところもいい。

 ステテコ、栄養ドリンク、5枚刃のシェーバー、メンズのようなスニーカー、スッキリ爽快で髪にやさしいシャンプー、大きなサイズのデザイン傘などを紹介している。

 この中に私の仕事の師匠・梅澤伸嘉が昔開発した「トニックシャンプー」も取り上げられていた。
 リビングネタだけではオリジナル性に欠けるので、「トニックシャンプー」の開発裏話をついでに紹介します。【リビング熊本】元オトコモンを特集!切り口が面白い

~トニックシャンプー開発の経緯(サンスター、1968年)~
Q1 それまでの生活ニーズ
・「頭を洗いたい」という男性特有のニーズの発見
※「頭を洗いたい」という生活ニーズはハーフミラー付き行動観察室で観察していて、女性は髪を洗っているのに対し、男性は「頭」を洗っている、という発見に基づく。
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Q2 充足手段
・女性用シャンプーや石けんで洗う
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BUT 問題点
・「気分まではスッキリしない」(生活上の問題)
・「気分まではスッキリしない」は従来のシャンプーや石けんの商品上の問題というよりは生活上の問題である。なぜなら、シャンプーや石けんは元来、気分をスッキリさせる目的の商品ではなく、あくまで汚れを落としたり、髪をしなやかにするもので、その効果には何ら問題はなかった。つまり、商品上の問題とは言えない。
・「気分まではスッキリしない」は、男性が「頭を洗いたいのは」のは、「汚れを洗うだけでなく、気分もスッキリさせたい」ためであることがグループインタビューで分かっていた。そして、このニーズはQ2の充足手段では十分に満たされていないこともグループインタビューで分かっていた。
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「したい、やりたい、でもできない」充足されていないニーズの創造
・気分もスッキリ頭を洗いたい(男性)
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新商品P.D.:気分も頭もスッキリさせる男性用頭皮シャンプー
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生活変化:「頭を洗うだけの手軽さで、気分がスッキリさせられる生活」
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達成アイデア
・「気分も頭もスッキリ洗える」という消費者のベネフィットを達成するために、「シャンプーにメントールを配合する」という従来にないアイデアを考えた。
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解決すべき問題
・「メントールが目に入ると痛く、とても商品にするのは危険である」との技術者の指摘により、新アイデアは没に。
・かといって、メントールの配合量を目が痛くない程度に減らすと、スッキリ効果が得られない。
 ↓
ブレイクスルー
・「目に入って痛くてもかまわない」とメラキ直り(開き直り)、要は目に入らなければよいのだ、と主張した。大人は洗髪時にみな目を閉じていることが行動分析からわかっていたので、多くの場合は目に入るはずがないと主張。いったん没になりかけたアイデアを商品化し、30年間男性用シャンプーカテゴリーのNO.1商品となっている。




Posted by わくわくなひと at 16:10│Comments(0)
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