2010年09月29日

イヤなことはするな、さぼってもいい・・・60歳からの満喫生活

 イヤなことはするな、さぼってもいい・・・60歳からの満喫生活デビッド・ブラウン『60歳からの満喫生活・・・より満足度の高い毎日が待っている!(The rest of your life is the best of your life)』三笠書房(2009年10月20日第1刷)。
 警固神社近くのTSUTAYAの本棚に、ひっそりと埋もれていた一冊。山ほどある本の中から、「60歳からの満喫生活」の背表紙が目に飛び込んできたこと自体に驚いた。
 考えてみれば、そんな歳まで、あと10年もない。さして売れていない本だろうが、10年後、満喫しているためにも、この本を読んでみたくなった。
 著者はニューヨーク出身の映画プロデューサー。50歳代に20世紀FOXの副社長として活躍した後に浮き沈みを経験しているツワモノらしい。

 「はじめに」の次のくだりが気に入った。

これからは自分のイヤなことは無理してするな。
勝たなくていい。
さぼってもいい。
ベストでなくてもいい。
そんなふうに何ものにもとらわれずに、本当の意味で満ち足りた時間を味わうことを、優先させよう。


 本文はウイットが効いていて面白い。肩の力を抜いた色気のある初老の男。この男の文章は、“かっこいい”と思った。もちろん女性向けの指南書では決してない。

 際どい表現もあるが、そのうちのいくつかをピックアップしたみた。

 幸運とは女性のようなものだ。信じている人には、彼女のほうから訪れる。だが、懐疑的な人間には冷たい。進んで受け入れ、ひたすら信じようとする人間だけに応えてくれるのである。

 人より一枚上手になることしか考えていない人間と一緒にいるほど、つまらないことはない。・・・いいから言わせておけ。こちらが背を向けてしまえばそれでおしまいなのだから。

 親としての務めは、終身刑とは違うのだ。自分の人生をとるか、子どもの人生をとるか選択しなければならないとしたら、自分の人生をとるべきだ。しょせん子どものほうが長生きするのだから。

 シェークスピアは賢明にもこう言っている。
「人を言い負かすことはできようが、その腹の中までは変えられぬ」
人間は変わるはず、などと他人に甘い期待を抱いてはならない。良くて現状を維持するのがせいぜいということがしばしばだ。
 ところで、これはあなた自身にも当てはまる-そしてもちろん、私自身にも。

「七十歳を過ぎて、目が覚めたときにどこも痛まなかったら、そりゃ君、寝ている間に死んだってことだよ」
 こうのたもうたのは、友人の文芸評論家マルコム・カウリーである。

 かつては一晩に二回も三回もできたというのに、このごろでは○○○○もほんのたまさかのことになり、それすれも僥倖のように思える。栄光の日々はあまりに短く、今ではイクときにそのまま逝ってしまいかねない。

 視力の衰えとも折り合いをつけていかねばならない。・・・観念して眼鏡をかけることにしたなら、それについて愚痴をこぼしてはならない。それが現実なのだから、仕方ないではないか。私など、電話に出るときも眼鏡をかける。一つくらいは、若い頃より上向きになるものもある。それはトイレに行く回数だ。

死は恐れるに足らない。死ぬまでは生きていられるのだ。

 ロックフェラー大学のある老年学研究者が、健康的に長生きするための「三つの戒律」を教えてくれた。一 食事の量を現在の半分に減らす 二 規則正しく運動する  三 毎日(!)セックスをする

 パイプ愛好者に対する唯一の批判は、公衆衛生局長ではなく、今は亡き映画界のドン、ジャック・ワーナーの言葉であった。
「パイプをくゆらしている男には気をつけろ。もしかすると、ものを考えているのかもしれん」

他人にどう思われるか気にしたところで、誰も尊敬してはくれない。とくに自分は。

 百二十歳まで生きた日本人の泉重千代は、長寿の記録でギネスブックに載ることになりレポーターの取材を受けたとき、「女性はどういうタイプがお好きですか?」の質問に対して、「やっぱり、年上の女かのぅ」と答えたという。これから交際する気マンマンの答え方だったそうだ。

 若い女とつき合うと、老化が急激に早まるというのだ。・・・かつて映画の中でウォルター・マッソーが言ったとおり、「かの名優ロナルド・コールマンを知らんような洟垂れ娘と。誰がつき合うもんか」である。

 映画界の重鎮ジョセフ・シェンクが七十代のときに若い女性との恋愛関係について尋ねられて曰く、「女というやつは、ダイヤや毛皮、ルノワールの絵を買い与えてやっても、最後にはしっかりひた堅固なモノを欲しがるようになるものだ」。
 
 劇作家モルナール・フェレンツは妻の喪があけたとき、友人たちに、これで晴れて長年の愛人と結婚できるなと言われ、こう答えた。
「でもそうしたら、今後はどこで夜を過ごせばいいんだ?」

 眺めて楽しむだけにしろ、深い関係におちいるにしろ、男にとって、人生に女性がある限り、いつまでも若さを保つことができる。そして、できれば二人は欲しい-一人がぽっくりいかないとも限らないから。

 ところで私は、人間とは忘れたいものを(それと忘れたい人も)忘れるものだと考えている。いったい誰が、あの麗しく愛らしい銀幕のスター、マリリン・モンローの姿を忘れることができるだろうか?

「ひどいわ、私を覚えていらっしゃらないのね、デビッド?」
とっさに私はあてずっぽうに、彼女によく似た、しかし二十歳は若い女性の名を答えた。若く見られたことに気を良くしたのか、彼女は私を許してくれた。




Posted by わくわくなひと at 17:59│Comments(5)
この記事へのコメント
会社の飲み会で60代の遊びなれた同僚(男性)が言ってたんですよ。30代・40代までは抱けるが50代からアウトって… 
職場に数人60代男性がおりますので、おじさまたちの心理を探るのにもおもしろい読みものかも。こういう本興味あります♪
Posted by あや3 at 2010年09月30日 12:20
同僚の女性が、この本を即刻持ち帰りました。
60代の男性で30代の女性はやめた方がいいかも知れませんね。ムリして、いっていくかも知れませんよ。
それよりも、熟年同士で二人で冬の花火を見たらどうですかと、お薦めしてください。
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2010年09月30日 13:08
>>イクときにそのまま逝ってしまいかねない
確かにココうけました~。次の飲み会でネタになりそうです(笑)
Posted by あや3 at 2010年10月01日 09:16
初めまして。

足跡から伺いました。

泉重千代さんのコメントで大笑い出来ました♪♪♪

ご縁に感謝♪
Posted by EMIKO☆EMIKO☆ at 2010年10月03日 23:52
泉さんのコメントはすごいですよね。
それがアメリカ人まで伝わっているところが凄いと思いました。
いろいろとご指導ください!
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2010年10月04日 00:08
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