2010年09月26日

男女はいったん溶け合ったら二度と分離できない!By小池真理子

 男女はいったん溶け合ったら二度と分離できない!By小池真理子文春文庫『美しい時間』(2008年12月10日第1刷)。小池真理子と村上龍の二人の作家が「ネスカフェプレジデント25周年記念 美しい時間キャンペーン」のために書き下ろした小説が収められた文庫です。小池、村上それぞれ1つずつの短編小説を楽しめるようになっています。
 この本が特に話題になった記憶もありません。帯の「時を重ねたいまだからこそ、味わえる小説がここにある」「小池真理子・村上龍があたなに贈る大人のための極上な時間」に惹かれて買いました。
 このうち小池真理子の「時の銀河」という短編を読みました。
 東京のおしゃれな、少しセレブっぽい52歳の女性2人のやりとりが書いてあります。つい10年くらい前までは、こんな女性たちに憧れていた人たちが多かったのかなぁと思いながらページをめくっていきました。話の内容や設定がバブリーです。
 まあ面白いのは、この2人の女性の組み合わせが、1人の男を介した関係であることです。一人は男の妻で52歳の今でも現役のファッションモデル、もう一人は男の愛人。この2人が男の死をきっかけに仲良くなり、男の思い出話だったかをするという内容です。

 人生の先は見えている。そういう年代だ。もうあと少し。向かっている方向も、その終わり方も、なんとなく想像がつきはじめるころなのかもしれない。

 小池真理子は52年生まれだから私よりも5歳上です。この小説の設定は、たぶん少し前の東京だと思います。しかし、出てくる女性は52歳で今の私と同じ歳でした。確かに人生の先を「なんとなく想像」している時がありますね。

 次の「私の親類の一人に、かつて関西の色街にいた女」の話は、新鮮でしたし、何となく共感できる内容でした。

「男と女はな、つきおうて長い年月、たてばたつほど、ほんまに溶けおうていくもんや。世間には腐れ縁ちゅう言い方もあるけど、そんなんは小賢しい人間があとでつけただけの呼び名にすぎん。そら、水と油なら話は別や。初めから分かれてしまうがな。せやけど、水と水がやで、いったんうまいこと溶けおうたら、どこまでが自分で、どこまでが相手か、わからんようになってしまう。そうなればしめたもんや」
「いったん溶けおうた男女に、金輪際、別れなんぞあらへんのや。たとえ死に別れたとしても、ほんまの別れにはならんもんなんよ。なあ、梢ちゃん、そう思うとればええんよ」





Posted by わくわくなひと at 13:01│Comments(2)
この記事へのコメント
セヲハヤミ イワニセカルル タキガワノ
 ワレテモスエニ アワントモスル

てことですね。

by chitty
Posted by chitty at 2010年09月28日 15:08
難しか!その意味教えてください。
半分、外人だけんがら、読み取れません。
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2010年09月29日 12:48
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