2010年09月18日

本当の“悪人”とはどんな人か?考えさせられます。

 本当の“悪人”とはどんな人か?考えさせられます。昨日、正確に言うと今日の午前2時までかかって、吉田修一『悪人』の上下2冊を読んでしまいました。
 上巻を読んでいる時は途中意識がなくなることもありましたが、下巻に入ると、最後まで一気に読まないと損をするような感じで、途中で止められませんでした。
 粗筋を書くと、これから読む人に申し訳ないので書きません。
 妻夫木が扮する主人公と深津絵里扮する佐賀の女性のやりとりが激しい。初老の私でも昔を、つい思い出してしまうような描写の連続です。
 感情移入は娘を殺された久留米の床屋さんにしましたね。
 一番嫌な輩は、“南西学院大学”の金持ちの大学生。私の学生時代は77年代から81年までの東京が舞台ですが、事件を起こさないまでも、こんなヤツはいましたね。この名前に近い大学は実際にありますが、マイナスイメージでしょうね。人と言えないような本当の悪人が。マスコミも、ネタや餌食になっている人たちから見れば、人の風上にも置けないヤツたちだろうと思います。
 追い込まれていく主人公。主人公を育ててきたばあさん。歯車がちょっと狂うと、世間を敵にまわしてしまう。そんな追い込まれた人に対し、「この人は関係ないだろ」とマスコミを追い散らすバスの運転手。こんな人もいそうですね。だれがちょい役でやるのだろう?
 捕まりはしないけど、人として最低な輩は、ときどき遭遇します。そんな輩が出世したり、財を持てあます世の中って何だろうと、興奮しました。桃太郎侍や仕置き人に依頼したいような気持ちになることはありませんか?妻夫木を小さい頃に捨てながら、犯罪者になると、育て親のばあさんのせいにする実の母親は、どうなんでしょうか?
 下巻は人によっては泣いてしまう内容です。私はそこまで到りませんでしたが、さて、映画ではそこまで持ち込まれてしまうか、楽しみです。




Posted by わくわくなひと at 18:04│Comments(2)
この記事へのコメント
こんにちは。私も「悪人」は気になっており、仕事がひと段落したらゆっくりと映画館で見たいと思っています。

TVで試写会のCMがあっていた時から妻夫木聡の演技にただならぬものを感じていて・・・今回の深津絵里の受賞。

あんまり筋が解かるのもいけないので、わくわくさんの記事はサラっと流してますが(笑)、この文章の勢いに期待が高まります。

うえの
Posted by せいじつ会計せいじつ会計 at 2010年09月18日 18:18
同僚で泣いたものがいました!
ぜひ感想を聞かせてください。
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2010年09月18日 21:44
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