2010年09月02日

テレビ現場のノウハウを覗く!報道のもう一つの楽しみ方

 テレビ現場のノウハウを覗く!報道のもう一つの楽しみ方池上彰『わかりやすく<伝える>技術』講談社現代新書(2009年7月20日第1刷、2010年6月10日第19刷)を読みました。
 最近の書店を覗くと、この方の本がたくさん並べられています。テレビで見た顔だし、「そうそう!子ども向けのニュースの解説をしている」人だと気づきました。まさに池上ブームですね。一頃の茂木健一郎ブームにも匹敵しそうな勢いです。
 帯には「テレビの現場で培ったノウハウをすべて公開!15万部の大ロングセラー」と書いてあります。私はプレゼンとか人前で話す機会も多いし、商売でそういうことをしているわけだから、この手の本もある程度読んできているにも関わらず、初心に戻り、池上プレゼン術を盗むことにしました。
 話にはリードをつける、聞き手に地図を示す、内容を見える化する、話の柱と枝づくりなど、一度は聞いたり読んだりした内容であり、特に目新しさは感じませんでした。ただ、今の自分がそれらの基本を見事に実践しているかというと、はなはだ不安であり、リスタートするという意味では大いにためになりました。
 パワーポイントはキーワードだけに、講演用のメモは30分までならA4一枚、1時間半の講演ならA4二枚半、ざっと話したい要素を書き出す、リードを作る、目次を作る、一回書いてみる、どこを図解にすればいいか考える、パワーポイントを作る、パワーポイントにそった原稿に書き直す、その原稿を箇条書きのメモにする、パワーポイントの画面は1枚40秒で見せていく、つかみ、三つの魔術、一瞬ずつでも一人ひとりに視線を合わせる・・・など、今、自分が実践できているかどうか?ためになりました。
 それよりも、この本の中でもっと面白いと思ったのは記者やキャスターのくだりです。
「報道の世界では、視聴者や読者よりも、取材先のほうを向いて原稿を書いている記者がいるものです。・・・政治部の記者は、取材先の政治家に知らせる原稿を書く。経済部の記者は、中央官庁の役人や財界人が納得するような文章を書く。社会部の記者は、警察官や検察官に認めてもらえるようなリポートする。」
 この視点は面白いですよね。視聴者や読者よりも、日頃接している人を意識した文章になりがちというのは分かるような気がします。
 みのもんたや久米宏の話術、間のとり方、質問の仕方などの凄さについての記述もありました。明日から、みのもんたや久米宏が出ているテレビ、記者がテレビの前でどのようにしゃべっているか、腹式呼吸で声を出している人とそうでない人の違いなど、テレビを見る楽しみがもう一つ増えてしまいました。




Posted by わくわくなひと at 00:17│Comments(0)
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