2010年07月22日

限られた状況の中での意思決定の難しさ/レイテ沖海戦

限られた状況の中での意思決定の難しさ/レイテ沖海戦 小柳冨次『レイテ沖海戦』アテネ文庫(昭和25年2月15日初版)を読みました。
 読後感は組織に対し責任を自覚せざるを得ない立場と、そうでない立場とずいぶん違うかなと思いました。
 レイテ海戦については、戦後、ずいぶん話題となり、いろんな議論がありました。
主な論点は筆者が書いている通りです。
「(栗田艦隊は)米航空母艦との会敵において、何故に中途半端に追撃を中止せしや、またレイテ湾を目前にひかへ、何故に突入を断念せしや」。
 つまり、栗田艦隊はレイテ湾の間近で偶然にもアメリカの空母部隊に遭遇。敵空母の一部を撃沈しますが、何で中途半端に追撃をやめたのか?また、レイテ湾の近くまで行きながら、本来の目標である湾内の敵輸送船団撃滅を断念したのか?ということです。
 今から、20年くらい前までは、「およそ戦闘の研究において、両軍の真相判明した後、第三者的立場より客観的にこれを批判する」ような論調が主流でした。このことは筆者も言うように「容易であるが、それはややもすれば結果論に陥り易い。」と思います。
 それよりも、次の一文は事の大小の違いはあるが、経営者も同じだと思いました。
「戦場において終始危険に暴露し、不完全なる情報にもとづき、複雑煩多なる大小の戦務を裁きながら、千変萬化する戦況に即応して転瞬の間に判断処置の正鵠を期することは難中の難とするところである。」
 ここのところは、いつの時代であっても、突きつけられるものは同じです。ただ、最近は言い訳を恥とする気風が薄れ、責任逃れをするリーダーが増えてきたと言われているのが気がかりですね。




Posted by わくわくなひと at 12:21│Comments(0)
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