2010年07月21日

ユニクロのビジネスモデルと哲学がよく分かる本

 ユニクロのビジネスモデルと哲学がよく分かる本同僚から借りて、NHK「仕事学のすすめ」制作半・編『柳井正 わがドラッカー流経営論』NHK出版(2010年1月25日第1刷)を読みました。
私がドラッカーの勉強会にしこしこ参加したり、机や本棚にドラッカーの本を置いたり開いたりしているからでしょう。ついに同僚も書店でドラッカー本に反応するようになったようです。
 ユニクロの柳井社長はドラッカーファンで有名です。そのすごい会社をつくっていった背後にドラッカーの哲学があることを解説した本です。同僚が言うように、ユニクロの宣伝臭さも確かに漂っていますが・・・。
 柳井社長はすり切れるほど、何度も何度もドラッカーを読んだと書いてありました。確かに、ドラッカーの本は1回くらい読んだくらいでは理解したうちに入らないことは体験的に理解しています。まさに噛めば噛むほど味わえるスルメ本です。
 この本はドラッカーの言葉「企業の目的として有効な定義は一つしかない。すなわち、顧客の創造である」(『現代の経営』)から始まります。
 柳井社長ご自身が、いろんな場面でドラッカーを繰り返し読み、自分たちで納得のいく商品を開発して、それを広報し店頭で売っていくというビジネスモデルを構築。そのことによって顧客を創造していったことが具体的に書いてあり、非常に勇気づけられました。
 このブログの一つの前で、マスコミのビジネスモデルの崩壊についての本について書きました。しっかりしたビジネスモデルの一つのパターンとして、商品開発、広報、販売促進というマーケティングサイクルを一つの事業体で回していくことがありそうです。まさにユニクロのビジネスモデルがそうだし、マザーハウスもそう。最近、福岡を拠点に農業革命を起こそうとされている藤井さんもそうです。私が尊敬したくなる人たちは、苦労しながら、そんなビジネスモデルを築いていっていることに、最近、気付いたばかりです。
 そして、マスコミの経営がうまくいかなくなった大きな要因は、商品開発、広報、販売促進というマーケティングサイクルをネット企業に浸食されたからだと思います。繁栄のおいしいビジネスモデル。だから、新興企業から狙われるということでしょうか。
 私も、自分で思い悩み試行錯誤してビジネスモデルを構築していきたいと思います。そんな時に、資本主義の誕生期からつい最近までを生きてきた巨人の言葉は深いものがあります。
 経験しないと分からないことはたくさんあります。勝間和代さんが解説で書いているように、『仕事をしていながら「ああ、こういうことをドラッカーは言っていたのだ」と後になって気付くこともある、気付いたときに読み返すと、自分の仕事や社会に対する理解がいっそう深まる。そう、ドラッカーの著書は、後から効いてくることが多いのです。』と思います。
 10年前読んだときに気付かなかったが、今ごろになって、ドラッカーがすごいことを言っていることに気付くことがよくあります。そんな時、「俺って、少し成長したかな?」と思えるところも、ドラッカーの魅力ですね。




Posted by わくわくなひと at 15:40│Comments(3)
この記事へのコメント
『柳井正 わがドラッカー流経営論』を買ったのは私です。
世間がドラッカー、ドラッカーと騒いでいるし
ユニクロさんには季節毎にいろいろ買い出しに行くし
ドラッカー入門編としてはよかろうと購入。

ドラッカーを愛読し、それを実践したら
必ず成功するんだろうか?

『私はこうして失敗した』なるドラッカー関連の本が出たら
売れそうですよね…

まっドラッカリアンに言わせると
「読むと体得と実践は違う」というお言葉がかえってきそうですけど。
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2010年07月21日 17:47
いえいえ。
自分のイメージですが、
こんな人は読んでも、ドラッカーを生かせないというモデルはありそうですよ。
柳井さん自身、一勝九敗だったか本を出しておられます。
失敗は大ありであり、成功するまで続けられたかどうかが成功の分かれ道です。
強いものが生き残るのではない。生き残ったものが強いのだと。
それと、ドラッカー哲学は、成功、失敗、儲けの上位目的について話していますので、素直に読んでいれば、ドラッカーのせいにはなりません。
 「あいつのせいで!」と言われるのは、「成功、儲け、売上アップ」とかを言っているコンサルタントさんたちです。
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2010年07月21日 18:43
小難しいですなぁ

「哲学」て便利な言葉ですね!?

『成功するまで続けられたかどうかが成功の分かれ道です』
そうは思うのですが
しかし、続けるには財が必要なんじゃ

継続は力なり<継続は財なり
お金があるところにはお金が集まってくるし…

昭和のころ、アムウェイ関係者のお話の中に
「お金持ちになることが目的でもよいんですよ」という意味合いの言葉があった。
「お金は後からついてくるもの」「もうけだけを追求したらダメ」
なんてお金もうけ主義=お下品
ぽい風土の中にいたから、ものすごく衝撃的な言葉だった。
「大儀がなくてもお金がほしいでいいんだ」と気が楽になった。

デモ、バブルははじけたのでした。

ま一つ。
成功した人のお話は、それがあとづけで考えたり発言したりしたとしても
「やっぱ違うね。そんなことを考えていたんだ~」
と魔法にかかることもありそう。

話がずれてきた。
まだまだドラッカー<ドラッグストアーですね。
Posted by わくわくなひとわくわくなひと at 2010年07月23日 19:25
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