2010年07月18日

大学では学べなかったドラッカーの組織論

大学では学べなかったドラッカーの組織論 昨日、福岡で毎月開催されているドラッカー読書会に参加しました。
テーマは『現代の経営 下』の中の組織論についての箇所についての意見交換でした。
組織論については、不肖、大学院で学んだ経験がありますが、ドラッカーについて勉強した記憶はありません。今回の読書会でのやりとりの方が大学の講義よりもはるかに役立つ内容だったことは言うまでもありません。
 今、熊本にいて件の本は福岡に置いてきましたので、正確には書けませんが、大学での組織論は組織の機能面についての議論に費やして、本当の企業経営には生かせないという、ドラッカーの記述があったように思います。
 企業の組織を考える時は、その企業が何の目的を持って何を達成しようとしているのかをまず考えることから始まるというような記述もありました。そうだと思います。
 それと、人材育成の観点から、若い人には企業が打撃を受けない程度のレベルで、マーケティング全般と責任を負う仕事を任せた方がよいというような記述もありました。補佐とかスタッフとか業務を背負わないでよい役割ばかり与えていると、いくら頭がよくても、経営者にはなれないというくだりもありました。例えば、分かりやすい例で言えば、支店や業務全体を背負ってもらうことが若い人の一番の勉強になるということです。あまりにも経営者が口だしし過ぎる組織は、次の経営者が育たないということも書いてありました。
 私の会社のように小さい組織の話ではありませんが、連邦型の組織がドラッカーのお薦めのような感じを受けました。企業グループ全体を管轄する中心となる組織があり、その下に事業分野ごとや地域ごとに経営責任者がいる組織のことです。確かに、この方法だと人が育ちそうですね。
 ただ、若い人々の配置の仕方は、中心となる組織に配属されることもあれば、傘下の組織に配属されることもある。私は中心組織の所属とか、私は傘下組織の所属とか、固定化してしまうと、グループ全体の従業員の力を結集することができません。中心となる組織はグループ全体の意思決定を行うが、傘下の組織の意思決定は傘下の組織の責任者に任せる(ここが経営者育成の大事なところだそうです)。いちいち中心組織に意思決定を仰ぐような参加組織の責任者は、経営者としての資質が問われるというものです。
 ドラッカーの本には、こんな逸話も載っていました。
中央組織の優秀な社長秘書などが次世代の経営者として目されていたが、傘下組織の責任者になった時に意思決定がほとんどできず、まともな経営ができなかった。期待も何もされていなかった傘下組織出身の従業員が参加組織で実績を上げており、中央組織の経営者にしたら業績が好転したというものです。
頭や机上の空論ではなく、経営で大事なことは経験と実践。それと、上下関係ではなく同じ組織やグループの一員という統一感をつくることが、生き残りには大事なことだと改めて思いました。




Posted by わくわくなひと at 20:01│Comments(0)
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