2010年03月24日
コリイ・ドクトロウ『マジック・キングダムで落ちぶれて』
『ツイッターノミクス(TwitterNomics)』(文藝春秋、2010年3月10日第一刷、原書名『THE WHUFFIE FACTOR Using the power of social networks to build your business by Tara Hunt』)の著者タラ・ハントが、Web2.0で世の中や人がどのように変化していくかを想像する時、最も参考になったとしているSF小説である。
2003年の発表で、日本語版は2005年8月31日に早川書房から初版が出ている。
タラ・ハントが“ウッフィー”をキーワードにしてWeb2.0の世界を描いているが、“ウッフィー”は恐らくこのSF小説から拝借したものだろう。この小説によると、21世紀の後半はお金ではなく“ウッフィー”を交換する世の中になっている。
ウッフィーは与えることによって増え、貢献することによってたまっていく、人や企業にとっての消費者の気持ちの有り様のようなものである。ウッフィーとは、信頼、評判、尊敬、影響力、人脈、好意などなどの積み重ねの中から生まれる。そんな性格を持った通貨のようなものである。
この小説の中では資本主義経済のお金は駆逐されたはずだが、ウッフィーを悪用する人が出てきて、ディズニーワールドを乗っ取ろうとする。主人公は、そういう輩に抵抗するが一時はまんまとはめられて悪い評判を立てられ、手持ちのウッフィーがほとんどなくなってしまう。手持ちのウッフィーの量は他の人に見えるようになっており、乗り物やホテルなどに泊まれないばかりか、「ウッフィーが少ない=この人は悪い人だ」と思われ、多くの人が主人公から遠ざかってしまう。
しかし、最後はハッピーエンドで終わる。
21世紀後半は脳の記憶はパソコンなどに保存することができるし、ケガをしたり老化した体はクローンで再生できる。脳のバックアップさえしておけば、人は死なない。今の世の中はいやだと思えば、100年くらい眠っておくこともできる。
今は弱肉強食の市場原理主義やお金に対する風当たりが強く、そうでない世の中が求められるようになってきている。ネット世界での自己中心的活動は批判の的であり、信頼、評判、尊敬、影響力、絆、好意などが強く求められるようになってきたようだ。
しかし、どんな世の中になっても、悪用する者がいるので、100%バラ色の世界を描くのは要注意だということを、このSF小説から学んだような気がする。

2003年の発表で、日本語版は2005年8月31日に早川書房から初版が出ている。
タラ・ハントが“ウッフィー”をキーワードにしてWeb2.0の世界を描いているが、“ウッフィー”は恐らくこのSF小説から拝借したものだろう。この小説によると、21世紀の後半はお金ではなく“ウッフィー”を交換する世の中になっている。
ウッフィーは与えることによって増え、貢献することによってたまっていく、人や企業にとっての消費者の気持ちの有り様のようなものである。ウッフィーとは、信頼、評判、尊敬、影響力、人脈、好意などなどの積み重ねの中から生まれる。そんな性格を持った通貨のようなものである。
この小説の中では資本主義経済のお金は駆逐されたはずだが、ウッフィーを悪用する人が出てきて、ディズニーワールドを乗っ取ろうとする。主人公は、そういう輩に抵抗するが一時はまんまとはめられて悪い評判を立てられ、手持ちのウッフィーがほとんどなくなってしまう。手持ちのウッフィーの量は他の人に見えるようになっており、乗り物やホテルなどに泊まれないばかりか、「ウッフィーが少ない=この人は悪い人だ」と思われ、多くの人が主人公から遠ざかってしまう。
しかし、最後はハッピーエンドで終わる。
21世紀後半は脳の記憶はパソコンなどに保存することができるし、ケガをしたり老化した体はクローンで再生できる。脳のバックアップさえしておけば、人は死なない。今の世の中はいやだと思えば、100年くらい眠っておくこともできる。
今は弱肉強食の市場原理主義やお金に対する風当たりが強く、そうでない世の中が求められるようになってきている。ネット世界での自己中心的活動は批判の的であり、信頼、評判、尊敬、影響力、絆、好意などが強く求められるようになってきたようだ。
しかし、どんな世の中になっても、悪用する者がいるので、100%バラ色の世界を描くのは要注意だということを、このSF小説から学んだような気がする。

Posted by わくわくなひと at 20:28│Comments(0)