ドラッカーやビジョナリーカンパニーをベースにした実践書

わくわくなひと

2011年01月27日 20:48

 小宮一慶『社長の教科書 リーダーが身につけるべき経営の原理原則50』ダイヤモンド社(2010年2月18日第1刷)。
 これも年末に読んで、2日の夜に線を引いたところを書き抜いた社長業自習本の一つです。松下幸之助、ドラッカー、ビジョナリーカンパニーを土台に、コンサルタントとしてのご自分の経験を踏まえた書かれた本です。ドラッカーの教えやビジョナリーカンパニーに書いてあることを、具体的にどう自分のものにしていくか分かりやすく書いてありました。
 特に、心に残ったのは、以下の内容です。これらの部分を再読することで、これから自分が何に関心を持って何をしようとしているのかが整理されて分かってきました。

・良書をたくさん読む。松下幸之助『道をひらく』、渋沢栄一『論語と算盤』、安岡正篤『論語の活学』

■明日のために投資する
・5年後、10年後にこの会社をどうしようかと考えることは経営者の仕事
(ドラッカーによる経営者のやるべきこと)
①現在の事業の業績向上・・・既存の事業、市場、商品サービスをもっと深掘りする。これは徹底できるかどうかということ
②機会の追求・・・現在よりも一歩進めた商品やサービスを開発したり、販売地域を拡大する
③新規事業・・・まったく新しい事業を立ち上げる、まったく新しいことを始める
・どの会社も何をやればいいかは知っているが、それを従業員にやらせることができるかどうかが肝心

2 ビジョン・理念が会社の根本
■土台は考え方・目標よりも目的が大事
・儲けるためだけの会社に命をかけてまで働いてくれる人は少ない。それは使命感がないから
・会社にとってビジョンとは存在意義のこと。その存在意義をいかに明確にし、徹底するかということが経営者に求められる

■ビジョン・理念を確立し、徹底する
・大切なことは、それらを働く人すべてに徹底しているかどうか
・ビジョン・理念は「目的」であって、儲ける手段ではない

■ビジョンは自分の頭で考える
・「自分の目の黒いうちは、絶対にこのビジョン・理念は変えない、絶対やり抜く」-そのくらいの信念を持ったときに、社内にそれを発表する
・信念とは、自分の目が黒いうちは絶対に変えないもの

3 戦略立案の基本原則
・何をやって、何をやめるかということを決めるのが経営の重要な仕事
・他社のマネができない非常に付加価値の高い製品が作れるか

■戦略の基本は「他社との違い」を明確にすること
・大切なのは自社の強みを生かすこと
・強みがどこにあるのか、将来にわたってその強みを維持できるのかについての見極め
・お客さまが求めるQPSの組み合わせを見極め
・変わった世の中でも自社の強みが強みとしてあり続けられるのか
・自分達の強みが生かせる領域はどこなのか

■自分の得意分野に集中し徹底する
・外部環境を分析し、内部環境を分析して、自社の強みを生かせる分野はどこなのかを知り、そこにヒト、モノ、カネや時間などの資源を集中していく

■オンリーワンではなくナンバーワン
・ライバルが沢山ある中で、「あなたの会社しかない」と言われる会社づくりを
・比較されてもより良いと分かるQPSの組み合わせを創り出すことが、オンリーワンではなく「ナンバーワン」を目指すということ

■成功する経営者の五つの特徴
・せっかち。内心はせっかちだが、それは表に出さず、表面的にはゆったり構えている
・人を心から褒められる。人を褒められる人は相手の長所を見つけられる人
・悪いことは全部自分のせいと思えるか。うまくいったときは窓の外を見て、失敗したときは鏡を見る
・優しくて厳しい
・素直さ


以下は2日夜に書き抜いた箇所です。
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1 経営という仕事と経営に対する考え方

■経営者がやるべき三つのこと
・企業の方向付け
・資源の最適配分
・人を動かす

■企業の方向付け
・何をやるか、やめるかを決めること
・自社のお客さまが何を求めているのかを見つけ出すこと。クォリティ(品質)、プライス(価格)、サービスのQPSの視点で見つけ出すこと
・QPSを見極めるためにお客さまのところへ行く
・ライバル会社の動向を知る
・素直な目でライバル会社のQPSを見極める
・小さいリスクを取りながら、アイデアや仮説を検証し、できるだけ早く検証結果を出して、次のステップへ進む

■資源の最適配分
・失敗の最大の原因は私利私欲。良い会社をつくり、儲けて、給料を沢山取ること
・「For the company」で働く
・真のリーダーとは会社全体のことを考えて発言できる人
・私利私欲だけでは会社は続かない。食べるのに困らなくなった後、それでもお金のために働くのか、それとも、仕事にもっと高い目的や目標を見いだせるかで、仕事の質やレベルが上がるかどうかが決まる
・良い仕事をして、お客さまに喜んでいただいて、従業員さんにも喜んでいただいて、社会に貢献して、その結果儲かる-そういう気持ちになれるかどうか
・「良い仕事をしよう」という良い欲を持てば、会社はうまくいく。利益は結果。良い会社をつくれば、結果として儲かる

■お客さま第一を徹底する
・いかにお客さま志向の会社をつくれるか
・伸びる会社は「お客さま第一」が目的になっている。「お客さま第一」が儲ける手段になっていると、儲かってしまえば「そろそろいいか」となってしまう。もしくは、より効率的に儲ける手段を考えることになる。
・お客さまのために、最良のQPSを常に提供し続けることを目的としていれば、終わりがない。それが伸びる会社と、そうでない会社の差となる。
・従業員は毎日楽しく仕事をしているか
・良い仕事をしなければ儲からない。良い仕事とは、結果として稼ぐことができる仕事
・目的は存在意義。目標とはその通過点
・企業の目的は何か。本来、企業は良い商品やサービスを社会に提供し、お客さまに喜んでいただくことを目的の一つとしている。さらに、それを通じて一緒に働いてくれる仲間を幸せにすることも目的の一つ。地域社会に貢献することも存在意義である。1億円分売れるくらいの良い仕事をする。
・数字が目的化してしまう会社は危ない。目標とすべきことが目的化している。働くのも楽しくない
・小さな行動を徹底する。大切なお客さまに対してはどんなときでも「さん」付けで呼ぶ、かかってきた電話は3コール以内に必ずとる。凡人は同じ行動を何度も繰り返すことによって意識や思想が高まる。
・リーダーが持つ優しさとは、中長期的にみんなを幸せにしてあげられるかどうかということ。お客さまを幸せにして、自分も含めて働いている人達を幸せにできるかどうかは、リーダーが持つ優しさにかかっている
・正しい信念を持つ。勇気は信念から生まれる。この会社を良くして、お客さまに喜んでいただいて、働いてくれている人にも幸せになってもらおうという信念があれば、厳しいことも言える
・正しい信念は長く読み継がれた本から学ぶ。聖書、仏教聖典、論語、老子、松下幸之助、稲森和夫
・良書をたくさん読む。松下幸之助『道をひらく』、渋沢栄一『論語と算盤』、安岡正篤『論語の活学』
・「みんなで幸せになろう」「会社を成功させることで、社会に貢献しよう」といった考え方は、「教える」のではなくて「伝える」こと。人に伝わるのは、伝えるべきことを自分が信じたとき

■「ダム経営」を心がける
・ヒト、モノ、カネにいつも余裕を持った経営をする。そのためには、良いときに貯めておく習慣をつける

■利益よりキャッシュ
・キャッシュポジションの低い会社は、借りられるうちに借りておいた方がいい

■明日のために投資する
・5年後、10年後にこの会社をどうしようかと考えることは経営者の仕事
(ドラッカーによる経営者のやるべきこと)
①現在の事業の業績向上・・・既存の事業、市場、商品サービスをもっと深掘りする。これは徹底できるかどうかということ
②機会の追求・・・現在よりも一歩進めた商品やサービスを開発したり、販売地域を拡大する
③新規事業・・・まったく新しい事業を立ち上げる、まったく新しい始める
・どの会社も何をやればいいかは知っているが、それを従業員にやらせることができるかどうかが肝心

2 ビジョン・理念が会社の根本
■土台は考え方・目標よりも目的が大事
・儲けるためだけの会社に命をかけてまで働いてくれる人は少ない。それは使命感がないから
・会社にとってビジョンとは存在意義のこと。その存在意義をいかに明確にし、徹底するかということが経営者に求められる

■ビジョン・理念を確立し、徹底する
・大切なことは、それらを働く人すべてに徹底しているかどうか
・ビジョン・理念は「目的」であって、儲ける手段ではない

■ビジョンは自分の頭で考える
・「自分の目の黒いうちは、絶対にこのビジョン・理念は変えない、絶対やり抜く」-そのくらいの信念を持ったときに、社内にそれを発表する
・信念とは、自分の目が黒いうちは絶対に変えないもの

■ソニーの社是
・今までにないもの、世の中にないユニークな商品を作って、日本の文化の向上に貢献する
・自分達の存在意義をしっかり持っている会社は、どんな時代にもブレない
 ↓
(案)生活者の心からの願いを意味のあるものに翻訳し、人々の豊かで幸せな暮らしの実現に貢献する
(案)生活者のニーズをかたちにし、人々の豊かで幸せな暮らしの実現に奉仕する

3 戦略立案の基本原則
・何をやって、何をやめるかということを決めるのが経営の重要な仕事
・他社のマネができない非常に付加価値の高い製品が作れるか

■戦略の基本は「他社との違い」を明確にすること
・大切なのは自社の強みを生かすこと
・強みがどこにあるのか、将来にわたってその強みを維持できるのかについての見極め
・お客さまが求めるQPSの組み合わせを見極め
・変わった世の中でも自社の強みが強みとしてあり続けられるのか
・自分達の強みが生かせる領域はどこなのか

■自分の得意分野に集中し徹底する
・外部環境を分析し、内部環境を分析して、自社の強みを生かせる分野はどこなのかを知り、そこにヒト、モノ、カネや時間などの資源を集中していく

■オンリーワンではなくナンバーワン
・ライバルが沢山ある中で、「あなたの会社しかない」と言われる会社づくりを
・比較されてもより良いと分かるQPSの組み合わせを創り出すことが、オンリーワンではなく「ナンバーワン」を目指すということ

4 マーケティングでお客さま第一を具体化する
・一度お客さまになっていただいた方に、いかにして「一生のお客さま」になっていただくかについて考えること
・ダメな会社というのは、新規営業が上手い
・既存顧客の売上げの増減が会社のバロメーター
・既存のお客さまをより大切にする方が、結果的に儲かる
・口コミ、いわゆる代弁者が増えると、下手な広告宣伝をしなくても、売上げは伸びていく
・そのためには①一番は偉い!②あなたは特別③感動を生むを実践すること

■一番は偉い!
・お客さまにとっての「主観的一番」になる。主観的一番でないと関係を深めてもらえない

■あなたは特別
・一人ひとりのお客さまを「特別」に扱えるかどうか
・従業員にも「あなたは特別」を実践する
・お客さまでも従業員でも、一人ひとりが「自分は特別だ」と思えるような会社の仕組みを作れるどうかが、会社がうまくいくかどうかを左右する

■感動を生む
・いかにして感動を生み出すか
・マニュアル通りやっても感動は生まれる
・「このサービスは良かった」「この商品はよかった」と感じたら、書き留めることを繰り返していると、自分が満足するとき、感動するときの感覚が分かるようになる

■感謝と工夫
・「有難い」という感覚のない会社、経営者は、長期的に良い商品やサービスを提供できない
・自分がやれる範囲の中でベストなことは何かということを常に考え、それをお客さまに提供すること

5 会計と財務の本質
■財務諸表は、安全性、収益性、将来性の三つを見る
・安全性の指標でいちばん大切な手元流動性
・自己資本比率、流動比率、手元流動性を必ず一定以上に保つ
・資産利益率は5%以上が目安

■ファイナンスの基本はダム経営
・何にせよ大切なことは、キャッシュをできるだけ多く持っておくこと

■売上ではなく利益
・利益を伴わない売上げは資金繰りを圧迫するだけ
・売上高も上げ、利益も出して、さらにはキャッシュフローもプラスにするような経営を

■手元流動性を確保する
・手元に現金がどれだけあるかを知っておくこと。
・月商1ヶ月分の手元流動性は必須
・資金繰りを心配しなくていいだけの現金を持つ

■月初には預金残高を確認する
・キャッシュこそが会社の実力

6 ヒューマンリソース・マネジメント
■人は理屈では動かない
・人は「幸せ」についてくる
・会社は働く幸せと経済的な幸せを提供

■モチベーションより働きがいアップ
・働きがいが上がればモチベーションは自然に上がる
・お金や地位では働きがいは高められない
・褒めることで働きがいは高められる
・売上高や利益は目標であって目的ではない
・「褒める」社風を、会社の中に築いていく

■楽しく働ける仕組みをつくる
・従業員がよく集まる場所に、大きめのポストイットで、「○○さん、ありがとう」のコーナーをつくる

7 リーダーシップとリーダーの姿勢
■指揮官先頭

■成功する人は素直
・聞く姿勢、聞く態度を見れば、その人の練れ具合が分かる
・部下に対しても、会社に対しても、ちょっとしたことを徹底できる、もう一歩踏み込めるかどうかで、会社の行く末は変わる
・部下の話にメモが取れるか
・成功する人に共通するのは気配りや小さな行動を徹底すること

■素直の3ステップ
・第一ステップは「聞く」こと
・第二ステップは「良いと思ったことは、やる」こと
・第三ステップは「やり続ける」こと

■成功する経営者の五つの特徴
・せっかち。内心はせっかちだが、それは表に出さず、表面的にはゆったり構えている
・人を心から褒められる。人を褒められる人は相手の長所を見つけられる人
・悪いことは全部自分のせいと思えるか。うまくいったときは窓の外を見て、失敗したときは鏡を見る
・優しくて厳しい
・素直さ