『老いの生き方』等々また!年寄り本を買ってしまいました。

わくわくなひと

2010年10月15日 21:46

 今日は西日本一の巨大書店・ジュンク堂福岡店を徘徊しました。
 もともとの狙いは、奥泉光『シューマンの指』(講談社、1680円)をとりあえず手にとって、読む気になったら買おうというものでした。
 ところがこの本、小説コーナーの平棚で見つけることができません。小説コーナーだけでも小さい書店の半分くらいの広さがありますので、ずぅーと見て回ってやっと発見しました。本格音楽ミステリーという触れ込みでしたが、今日は買う気分になりません。
 なぜか?私の場合、本はほとんど寝っ転がって読みます。単行本はかさばるし重いからやめました。
それで次に向かったのが文庫本コーナーです。この本屋さんには、たぶん今手に入る文庫本のかなり部分が揃えてあると思います。平積みされている文庫本を中心に何か自分と波長は一致するものはないかと、たぶん1時間近く、このコーナーにいたと思います。いくつか今流行ってそうな小説を手に取りました。しかし、何か文章が無味乾燥、情報だけを伝えているような感じでしたので買うのはやめました。宮本輝の文庫本も手に取りました。さすがに美しい文章でほかの作家とは違います。しかし、今は宮本ではない。
 そして、ちくま文庫のコーナーにたどり着きました。すると、鶴見俊輔編『老いの生き方』が目に飛び込んできました。2週間前に、アメリカの不良年寄りの本を読んでいます。自分は今、年のとり方にけっこう関心があることを再度思い知らされました。その横にあった茨木のり子『一本の茎の上に』にも目が行きました。詩人、香気がただよう文章を読んでみたくなりました。5冊くらい離れて置いてあった外山滋比古『アイディアのレッスン』。外山さんはけっこうじいさんですが、これは仕事のためになりそうだから買うことにしました。
 何だ!結局、今の自分と波長が合うのは、「ちくま文庫」だけじゃないですか。茨木のり子の本の解説に書いてあった、文章に沈着・冷静・簡潔と香気を感じる本が今の自分の好みであることが分かりました。
 なるほどいぶし銀の好みか、年齢的にも仕方ないと思い文庫コーナーを離脱する折、『急に売れ始めるにはワケがある』「ベストセラー作家 勝間和代氏推薦!」という、スケベ心をくすぐるタイトルが目に入りました。そんな人を押しのけて成功者になるなんて品がないと思いましたが、買うことにしました。
 沈着・冷静・簡潔と香気。それに少しのスケベ心。これが今の自分のニーズだと思い知りました。