ユニクロのビジネスモデルと哲学がよく分かる本

わくわくなひと

2010年07月21日 15:40

 同僚から借りて、NHK「仕事学のすすめ」制作半・編『柳井正 わがドラッカー流経営論』NHK出版(2010年1月25日第1刷)を読みました。
私がドラッカーの勉強会にしこしこ参加したり、机や本棚にドラッカーの本を置いたり開いたりしているからでしょう。ついに同僚も書店でドラッカー本に反応するようになったようです。
 ユニクロの柳井社長はドラッカーファンで有名です。そのすごい会社をつくっていった背後にドラッカーの哲学があることを解説した本です。同僚が言うように、ユニクロの宣伝臭さも確かに漂っていますが・・・。
 柳井社長はすり切れるほど、何度も何度もドラッカーを読んだと書いてありました。確かに、ドラッカーの本は1回くらい読んだくらいでは理解したうちに入らないことは体験的に理解しています。まさに噛めば噛むほど味わえるスルメ本です。
 この本はドラッカーの言葉「企業の目的として有効な定義は一つしかない。すなわち、顧客の創造である」(『現代の経営』)から始まります。
 柳井社長ご自身が、いろんな場面でドラッカーを繰り返し読み、自分たちで納得のいく商品を開発して、それを広報し店頭で売っていくというビジネスモデルを構築。そのことによって顧客を創造していったことが具体的に書いてあり、非常に勇気づけられました。
 このブログの一つの前で、マスコミのビジネスモデルの崩壊についての本について書きました。しっかりしたビジネスモデルの一つのパターンとして、商品開発、広報、販売促進というマーケティングサイクルを一つの事業体で回していくことがありそうです。まさにユニクロのビジネスモデルがそうだし、マザーハウスもそう。最近、福岡を拠点に農業革命を起こそうとされている藤井さんもそうです。私が尊敬したくなる人たちは、苦労しながら、そんなビジネスモデルを築いていっていることに、最近、気付いたばかりです。
 そして、マスコミの経営がうまくいかなくなった大きな要因は、商品開発、広報、販売促進というマーケティングサイクルをネット企業に浸食されたからだと思います。繁栄のおいしいビジネスモデル。だから、新興企業から狙われるということでしょうか。
 私も、自分で思い悩み試行錯誤してビジネスモデルを構築していきたいと思います。そんな時に、資本主義の誕生期からつい最近までを生きてきた巨人の言葉は深いものがあります。
 経験しないと分からないことはたくさんあります。勝間和代さんが解説で書いているように、『仕事をしていながら「ああ、こういうことをドラッカーは言っていたのだ」と後になって気付くこともある、気付いたときに読み返すと、自分の仕事や社会に対する理解がいっそう深まる。そう、ドラッカーの著書は、後から効いてくることが多いのです。』と思います。
 10年前読んだときに気付かなかったが、今ごろになって、ドラッカーがすごいことを言っていることに気付くことがよくあります。そんな時、「俺って、少し成長したかな?」と思えるところも、ドラッカーの魅力ですね。